2010-01-01から1年間の記事一覧

不安の自覚 不安の分析  観の瞑想のテーマとして

準備 シャマタの瞑想を先に行い、集中力と観察力を高めておきます。さて、シャマタの瞑想で集中力と観察力が高まっています。観の瞑想は、その観察力で、一つのテーマを見つめ続けることです。そのテーマとして、今回は「不安」に取り組みましょう。不安とは…

時代を読む 不易流行

今の若い人は、せんばこき(千把扱き)とか足踏み式脱穀機といっても、何のことかわからないかもしれません。日本史の教科書で見たという人ならいるかもしれません。せんばこきは、江戸時代に発明された農機具です。せんばこきが発明されたおかげで、作業の…

我昔所造諸悪業 12月5日 大接心

以前書いた内容と重複するが、以下も書きかけの原稿です。 仏教でいうところの四大苦のひとつが「死苦」です。死を瞑想することも大切でしょう。<< 屍のポーズ(シャバ・アーサナ)によるシャマタの瞑想 >>あなたは、自分がこの世を去る時の場面を想像し…

蝋八大接心 ろうはつおおぜっしん

蝋八大接心 ろうはつおおぜっしん今日は、12月3日 禅道場では、ろうはつおおぜっしん 蝋八大接心 の最中。 禅僧のように、坐禅を組んだまま睡眠は3時間程度、あとは坐禅という暮らしはできないが、できる範囲内で座禅を組み、仏法僧を思っています。 以下は…

死に臨んで オールマイティカードとしての止観瞑想 

多くの人が持っているであろう漠然とした人生の目標、願いとして、 「死ぬとき、苦しまずにいたい。」「死ぬとき、後悔しないでいたい」 「死ぬとき、幸せな状態で死にたい」「死ぬとき、満足して死にたい」 という目標があると思う。 この願いは 深い願いで…

「途方に暮れる」と「途方に眩れる」

「tohounikureru」と入力し検索してみると、 ほとんどが、「途方に暮れる」と出てくる 「途方に暮れる」という文章に対する私のイメージは <進みたいのに、もう辺りが暗くなってしまって、前に進む道が見えない> <進もうにも、道を見出せなくて進めない>…

好きな食べ物 嫌いな食べ物

「私は林檎が好きだ」(「私の好物は林檎です」)という文章と 「私は今この林檎が食べたくて食べている」という文章 そして、「今食べているこの林檎は美味しい」という文章は 三つ並べてみると、それぞれ違う意味を含んでいることが分かる。 でも日常の中…

諸行無常の中で 光り輝くもの

仏教の四法印では先ず 「諸行無常」をいいます 若い人はあまり実感がないかもしれませんが ある年を過ぎると 自分が日々年老いていき、やがてこの世を去ることを ひしひしと感じます そんな中で 多くの人が虚しさにおそわれたりします 地位とか名誉とか財産…

携帯電話と止観瞑想

歴史を学ぶにしても、経済学を学ぶにしても、 物理科学を学ぶにしても あるいは心理学を学ぶのも その目的のひとつは 未来を予測し、制御、操作することだろう 狭い範囲なら、ある程度予測できるとは思うけれど 完全な長期的な予測は難しいと思っている 子供…

自性としては空なれど 事象としては存在する

並はずれた努力の末に、「そこ」へ到達するのではなく未熟のままで、あるがままで、流れるままに 今ここ永遠 と感じた人は、これまでの歴史上沢山いただろう その念慮のもとは、「自性は空なり」という認識、体験、所属感であろう 人の歴史で、苦しみは「解…

気づきの瞑想

センサリー・アウェアネスのセミナー以後、AMAZONで「アウェアネス」「気づき」という言葉で検索していて、 「気づきの瞑想で得た苦しまない生き方」カンポン・トーブンヌム著 佼成出版社刊 を見つけて読みだした。 著者はタイ人で、タイのバンコクの大学卒…

舞踏による空観の体験

いまから三十数年前、高校を卒業後、浪人生となって、京都で生活しました。そこで、私は、桜沢如一による玄米自然食、著書「無双原理」「永遠の少年」を知り、部族やフリーク(ヒッピー)といわれる人々を知り、共同体という暮らし方を知りました。日本に暮…

屍のポーズ シャバ・アーサナによる止の瞑想

あなたは、自分がこの世を去る時の場面を想像したことがありますか? しばらくお付き合いください。そして少しの間、想像してみてください。 あなたは何歳になっているでしょう? そこは、自宅でしょうか、病院でしょうか、車のなかでしょうか、屋外でしょう…

太極拳舞踏セラピーのご案内

はじめに 生まれてからこの方、苦しみを一度も味わったことのない人はいないでしょう。苦しみにも、虫歯の苦しみといったより肉体的な苦しみもあ れば、人生に意味を見いだせないといった精神的な苦しみもあります。 仏教では、人間が味わう色々な苦しみを四…

戦艦ポチョムキン 一筋縄ではいかない

今から約30年以上前、日本を放浪旅している途中、名古屋の映画祭で、戦艦ポチョムキンを見た。シベリア物語も一緒に上映されていたと思う。 すごく感動した。同時に非常に無知だったから、ロシアでは革命勢力と反革命勢力の二つの勢力があり、革命勢力が反革…

熊野みんなの家ふう 認知症予測検査

今日の朝のことをお尋ねします。 「朝食に何を食べましたか」と、メニューを尋ねるのではありません。 『朝布団の中で目覚めた時、最初に何を思い、 そして何をどう決意して起床しましたか?』 とお尋ねしたいのです。 「決意」なんて大げさなことはなく、「…

多層多重の生と無欲

かつて、そして今も少々馴染めない言葉に「無欲」という言葉があります。 馴染めない思いとは 「人間は無欲という状態などなれるのだろうか?」という思いです。 でも言葉は記号です。言葉の所記と能記の関係は恣意的です。 文脈によって、ことばの意味内容…

2010年10月24日 熊野みんなの家 発達心理学茶話会メモ

出世間 あや ということについて ヒンドゥー教の人生設定の考え方に、四住期ということがあります。 「マヌの法典」は人生を「学生期」「家住期」「林棲期」「遊行期」の四住期に分け、それぞれの住期において守るべきことを詳細に規定しています。 学生期は…

何を以って現実というか センサリー・アウェアネス以後の日常

「一回一回の私の今現在のこと」こそ、「現実」というにふさわしいように思います ある人々は、よく「○○は理想論だ、現実はそんなものじゃない」といいます。その現実とは「一回一回の私の今現在のこと」ではなく、「世の中全般」の現実、「人間全般」の現実…

センサリー・アウェアネス その4 違いを生み出す違いとバランス

センサリー・アウェアネスのセミナーの中でよく使われた鍵になることばのひとつが「バランス blance 」だったと思います。 バランスという言葉を辞書的に翻訳すれば、そのままバランスとして日本語になっていますが、つりあい、平衡、均衡、調和、安定した状…

センサリー・アウェアネス 3 ダンス

もとより、「ことば」というものは、「ある体験」を表そうとしても表しがたいものですが、それでも言葉や文章にし、表そうとすることによって、体験にラベルを張ることができ、ある体験の「中味」を、垣間見させること、再構成や再現のきっかけを与えること…

センサリー・アウェアネス 2

ブラインドウォークのことなどセンサリー・アウェアネスのセミナー二日目、午前のワークが終わる時、午後からブラインドウォークのワークを行うことを聞きました。 ブラインドウォークと聞いたとき、それだけで少し緊張感が生まれました。 以前書籍を読み、…

センサリー・アウェアネスを味わって

「自分が変わる」ということに事寄せて 例えばここに、最近しっくりいっていない夫婦やカップルがいたとする 一人でいる時には、何とか改善したいと思うのだが いざ実際の場面になると、 やはり対立的、競合的になってしまっていたとする 生きるということ、…

式子内親王

高校生のとき、冬休みに百人一首をすべて覚えてくる宿題がありました。私にとって、古語や枕ことばは難しく、詠い手の境遇や背景を思い量ったり、鑑賞する余裕もなく、丸暗記しました。 それから数十年、縁あって本居宣長の言葉に触れました。 言葉には二種…

いただきます

両手を合わせ、「いただきます」と言ってから食事を始める人は、今どれくらいあるだろうか? 人間は何か食べ物を食べないと生きていけない。 食べ物の手に入れ方から人間の暮らし方を大雑把に分類すれば、狩猟採集生活があり、農耕生活があり、工業を基礎と…

現代雑兵伝

ちはやぶる神世も聞かず竜田川韓紅に水くくるとは 高校生のとき冬休みの宿題だったか 百人一首をすべて覚えるという課題があった 「しのぶれどいろに」 という和歌はすぐに覚えたが 宿題の為、他の多くの和歌は鑑賞するでもなく丸暗記した 「ちはやぶる」の…

理想と現実と空想と

私達が何気なく使っている「ことば」について、改めて考えてみましょう。( )想 ( )の中に入る漢字を思いつくだけ書いてみてください。理想 空想 予想 愛想 では、理想と空想と予想の違いを説明してみてください。 私なりに説明すれば、「空想=こうだっ…

先駆者とその弟子

先駆者あるいは中興者は、出世間し、「真髄」を体得し、体現する。 求めに応じて、先駆者は、「真髄」を「方法」によって指し示す。 素人、部外者、批評家は、方法を実践することなく、 「真髄」のみを求め、語ろうとする。 愛弟子は、「方法」を通して「真…

ことばによって、魔法を解く

これまで諸先輩方は、「魔法」に関する物語を沢山書いてきた。多くの場合、魔法をかける時、魔法使い達、あるいは賢者や仙人達は、日常一般世界では使わないような意味不明な「呪文」を唱える。また、魔法使い達は、その真の名前を知られたりすると、かけた…

私の耳は貝の殻

意識革命 コクトーを想う てのひらをみつめながら ゆびをおもいっきりのばしてみる 指と指の間も広げ 掌も反り返らせる その時、手に感じる感覚は、 皮膚や筋肉が伸び広がっていく感覚のように 疑いなく思う しかし、筋肉は、自ら延びることはない 伸筋と言…