2012-01-01から1年間の記事一覧

二項対立(あるいは要素対立)とその克服

この世のすべてのものごとは、独立する二項(あるいは要素)で成り立っているという見方があります。 快と不快、生と死あるいはエロスとタナトス、善と悪あるいは良い乳房と悪い乳房、錯覚と脱錯覚、自己と他者、主観と客観、理想(願望)と現実(不満)、弁…

永久の未完成これ完成である 二重性の象徴としての十字架

「永久の未完成これ完成である」という詩句は、 宮沢賢治の「農民芸術概論綱要」の一節です。 これまで、色んな人が色んなところで引用してきたことでしょう。 「永久の未完成これ完成である」という詩句に感銘し、 それを日常的に生きるとしたら、 例えば、…

全体論の日常生活  知られざるあなた 知られざる神

Kが目を覚ました時、窓の外はまだ薄闇でした。Kの手は隣に寝ているTの左胸におかれています。手術前のTは、豊満というか、肉付きのいいからだをしていましたが、術後一年経った今は、細身となっています。胸もかつてのような弾力やふくらみではなくなってい…

二元論の克服 全体論

釈尊の全体論 <相依性> ブーバーの全体論 <我と汝> グレゴリーベイトソンの全体論 <『精神』の生態学> アドラーの全体論 <対人関係論、目的論> 複雑系学者の全体論 <フラクタル><創発> そして多くのロマンチスト(反合理主義)、ネオロマンチス…

理性と科学とメタ心理学

私の仕事場は、小学校の通学路に面しています。それで、小学生と語る機会がこれまで多くありました。もうすぐクリスマスですが、保護者の人々や子どもたちと話をしてみると、サンタクロースの存在を信じているかいないかの境目が、小学校3.4年生のあたりにあ…

NPO熊野みんなの家講座資料

イエス・キリストの生涯と言葉を、現代心理学を通して味わい、未来をみつめる講座資料 ☆ はじめに この講座の意図するところ ☆ (万人のためにはあらず) 仏教には、「一切皆苦」「四苦八苦」という言葉があります。生老病死や人間関係での対立、苛政、生活…

自転車図書館 館長土居一洋さん 佐田坂登攀

体調が万全ではないことは、私達が一番わかっています。 120kg以上の重量になる水車型図書館を曳き7年半 回った図書館の数は約2600ヶ所 一週間ほど前に40度の熱を出し、一旦回復していたのが再発 台風が過ぎ、急な朝夕の冷え込み ほとんどは、野宿 朝、寝返…

自転車図書館の館長、土居一洋さん来熊野

自転車図書館の館長、土居一洋さんが、今紀伊半島をめぐっています。 自転車の後ろについている水車型図書館の重さは、約100kgだとか。 いつもは野宿されているのですが、 NPO熊野みんなの家に泊まって頂きました。 ユーチューブyoutubeに、これまでの映…

Balance瞑想

「自分を守る」という言葉には、色々な意味が含まれます。 「ご飯を食べる」こと、夜になれば、雨露のしのげる場所で「眠る」ことなど 誰にでも見られる、ごく自然な、習慣的な行為も 「自分を守っている」という意識が伴っていなくとも それはいちばん基本…

山田洋次監督 たそがれ清兵衛 学問したら何の役に立つのだろう

藤沢周平原作、山田洋次監督の映画、「たそがれ清兵衛」(2002年)の中に次のようなシーンがあります。 頃は幕末、場所は庄内・海坂藩。 清兵衛は50石(実際は30石)どりの下級武士。 妻に先立たれ、認知症の母と、10歳と5歳の娘らと共に暮らしていま…

弁別と般化とフラクタル

これまでに、「弁別と般化」という題で何度か書きました。 心理学用語の解説としてではなく、 それが生きるということ、苦しみの生滅とどう関わっているかということを考えながら書いてきました。 言い続けてきたことは、弁別と般化は、 横並びの対立的な関…

メソッドとしての俳句吟詠

< メソッド、メソード (method) とは、方法、方式、技法のこと 例えば、楽器の奏法、教育や音楽やバレエ、演劇の分野における教授方法 > と説明されます。 私の仕事場には、ポール・ゴーギャンの「我々はどこから来たのか、我々は何か、我々はどこへ行く …

さわやかな風に 風天の寅さんを想う

俳句表現には俳句の特徴があり、写真表現には写真の特徴があり、一緒ではありません。一緒ではありませんが、世界の一部を切り取ってきて表現するということは共通しています。そして、世界の切り取り方に、切り取った人の個性や人生を垣間見ることが出来ま…

臨死体験(臨終)瞑想「一本の樹・ひとつの森」瞑想

臨死体験(臨終)瞑想「一本の樹・ひとつの森」瞑想 はじめに 明日という日が、確実にやってくる訳ではありません。 もしかして、明日大地震が起こるかもしれません。かといって、明日という日に、人生が確実に終わる訳でもありません。ですから、明日以降の…

いずれにせよ年老いて死んでいく、ならば    slow walker

「自閉症」という単語で検索すると、 gooヘルスケアのページには、次のように書かれています。 < 自閉症(自閉性障害)とはどんな病気か 脳の発達・成熟が障害されることにより、心を通わせることが不自由な、3歳までに発症する神経発達の病気です。子ども…

スローウォーカー slow walker

普段、私たちの多くは、当然明日が今日と同じようにやってくると、疑いもなく暮らしているのではなかろうか? 「明日」だけでなく、「一ヶ月先」も、あるいは「一年先」も。 「十年」というと、「私達の多くは」とは言えなくなる。 からだに自信のない人や、…

新しい産業革命

平成2年(1990)9月19日に和歌山県白浜町に台風19号が上陸しました。11日後の9月30日には台風20号が同じく白浜町へ、10月8日には台風21号が田辺市に上陸しました。 この時、私の家から街につながる道路には木が倒れ込み、通行不能となり、また停電が復旧する…

蛍にんげん 衣通郎姫

「蛍」は、なぜ自らのからだを、光らせることができるようになったのだろう。 素人なりの仮説を考えた。 蛍は、小さくて弱い存在。だから、生命活動は、捕食者に見つからないよう、夜に行うようになった。 でも、それでは子孫を残す活動も難しくなる。 そこ…

野は市よりも豊かにて

今年2012年の5月に 「原発を拒み続けた和歌山の記録」 紀伊半島にはなぜ原発がないのか? 「いのち」の源―海・山・川を守り未来へつなげた 住民たちと関西電力との闘いの軌跡 寿郎社刊 が発行されました。 歴史を振り返ると 昭和56年(1981)6月に、「和歌山…

角なくも真ん丸は無し浜の石 碁石にならずもそれぞれの味

2日前から、自営業をしている知人の夫婦が家庭内別居しています。 事の発端は些細なことです。 奥さんが経理を担当しています。数か月前に、ある仕事に対する支払いの振り込みがあって、夫に伝えたそうです。数か月たって、夫は支払いがまだだと思い、再度請…

ヴェルサイユからサイバネティックスへ

「歴史を学ぶ」「歴史を読む」「歴史と向かい合う」ということについて、私の眼を開いてくれたのは、学校の授業でもなく、歴史書でもなく、史観論書でもなく、「学習」「階層性」「システム論」を学ぶために読んだグレゴリー・ベイトソンの「精神の生態学」…

風さやか

日本人には、瞑想というと、「無念無想」という言葉を思い浮かべる人が多いように思います。これは、禅文化の影響なのかもしれません。 そういう瞑想もありましょうけど、積極的に念を興し、想を興す瞑想もあります。 テーマを決めて、そのことについて、徹…

動中の静

自分が建てた予定通りにならないこと、思い通りにならないことを「苦」という、と先日書きましたが、「予定を立てて行動する」ことの中には、例え予定通り、思い通りに事が進んでも、苦が潜んでいるように思います。 いわゆる「疎外」です。「予定」どおりに…

見えないものを観ようとする目

発達心理学で、早ければ生後4か月くらいから、遅い場合は2歳の段階になれば、隠されたモノの存在や移動を認識できるようになる、と習いました。 逆に言えば、平均的に約8か月の赤ちゃんは、目の前にあるモノの存在しか認識できず、自分の視覚や行動とは無関…

予定 預定落空

ゲストハウスの本棚を整理しました。 何冊かあった「禅」に関する入門書は、残らず書庫に片付けました。 それらの本は、作法・技法としては参考になるのですが、 基本的な考え方・世界観については、私にはあいませんでした。 (禅を否定しているのではなく…

概念眼鏡

朝目覚めてから、すでに3時間ほど経過した。 布団をたたみ、朝食の用意をして、食べて、ごみ出しの日だから、ごみをまとめ、自家用車で仕事場へ行き、あれこれ仕事の段取りをし、定時に仕事は始まり、暇を見てパソコンに向かっている。 さて、起きだしてから…

上達と添削とラポールと世間と

どの道であれ、独学のみで上達していくのは難しい 短歌や俳句の世界には、上達の道として「添削」がある 出来上がった作品を師匠や仲間にみてもらい、自分が気づいていない「こだわり」「かたより」「おもいこみ」など 不十分なところ、未熟なところと感じた…

self stimulative dance

何故、人間の指は5本なのだろうか? 4本や6本ではなく。 何故、指の長さはそれぞれ違うのだろうか? 指の長さはそれぞれ違うのに、握り拳をつくると、 指先はほぼ一直線になって掌につく。 人間の姿かたち、しくみや機能は、 長い長い歴史を経て、理由があっ…

弁別と般化の空想実験

「実験室において、1分間100拍のメトロノームの音を聞かせて、犬にえさを与えると、やがて条件反射が成り立ち、1分間100拍のメトロノームの音を聞くだけで、犬は唾液を分泌するようになる」と習いました。 1分間100拍のメトロノーム音に対する条件反射の成立…

居直る 開き直る 盆の禅

「居直る」という言葉は、今は悪い意味で使うことが多いように思います。 辞典を引いてみると 「急に態度を変える。不利の立場にある者が、急に脅すような強い態度に出ること」 change suddenly to a threatening attitude とありました。 「逃れられない立…