動中の静

自分が建てた予定通りにならないこと、思い通りにならないことを「苦」という、と先日書きましたが、

「予定を立てて行動する」ことの中には、例え予定通り、思い通りに事が進んでも、苦が潜んでいるように思います。
 
いわゆる「疎外」です。「予定」どおりにことを進めようとし、「今」を「明日」のための手段としてしまいがちです。
 
そして、その明日もまた、その次の明日の手段にしてしまい、決して「今」を味わっていません。
 
12時に、お気に入りのレストランの席が取れたとして、その食事中、次のことを考えていたのでは、予定通りであっても、今を味わっていません。
 
じゃあ、休日とか退職後に、その店でゆっくり食事に専念できるようになったら、それは予定を組みながらの生活の中の食事の味わいから、何かが欠落しています。
 
「何か」というのは、全体とのつながりの糸のようなものです。
 
今を味わうというのは、決して、刹那主義とか、個人主義とは違うものだと思っています。
 
これまで、二度ほど、死にかけて、ほんの少し生を諦め、死を受け入れるという覚悟をしかけたことがあるので、そういう体験の無い人よりは、ほんのほんの少し、ごくわずか、生への執着が少なくなっていると自分では思っています。
 
生を諦めて、どうぞお任せします、という心境になったとき、聞こえてきたのは、「あなたの好きなように生きなさい。」という声でした。
 
「好きなように」といわれてみると、好き勝手にはかえってできません。
 
二度死にかけた後、それぞれ、新たに予定を組んで生きなおすことにしました。
 
二度目の後は、通信制大学で、もう一度最初から学びなおすことにしました。
 
町村合併問題、町長選、台風被害などがあり、予定通りに、単位が取れないこともあって、少しイラつくこともありましたが、今は学ぶこと自体が喜びです。(自己強化)
 
ユダヤ人が語った親バカ教育のレシピ」によると
アメリカの高校では、学校のトップクラスといえば、ユダヤ系か中国系の学生が多いそうです。ユダヤ人の総人口は、全世界で約1300万人、ノーベル賞受賞者の約22%がユダヤ人。
 
ユダヤ人の教育法で共通することというと
・良い成績を取れ、と子供にハッパをかけない
・家にはかなりの数の本を常に備え、親子で一緒に読書を楽しむ
・いろいろなものを見せ、経験させるために、しょっちゅう子供と一緒に外出する
 
とありました。そして
「いちばん大事なのは、学ぶことは楽しいことだと、教えることだ」
というのがユダヤ人の家庭教育の基本のようです。 
 
パトリシア・ポラッコ作・絵「ありがとう、フォルカーせんせい」という絵本にも
本に蜂蜜をたらし、子供になめさせ
家族が「蜂蜜は甘い、本も甘い、読めば読むほど甘くなる!」と声をそろえて歌う初めての本読みの儀式の様子が書かれています。
 
先人の曰く
動中の静、静中の動
陰陽のバランスからいくと、50%の満足と50%の不満足で、丁度いいのかもしれません