2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧

記号論と写像論

現在来院中のある年配の女性は、地元の小さな結社で、長年俳句を詠っています。 今日こう述べられました。「俳句とか短歌などをやっていない人と、同じ場所を旅し、同じように歩いても、感じ方、見え方が全然違う」と。 文学と言えば、自ら実践しない人は、…

重荷を背負う

重荷を背負う 重荷を背負うと、独特の姿勢になる 背筋は伸びないので、足元の地面を見つめることが多くなる 重荷を背負っていなかった時も、足元の地面を見ることがあっただろうが 実際重荷を背負って暮らして見て、やっと見えてくる地面があろう ところが、…

ことばのことなど

大人の人に、「ジャガイモを買ってきてね」と頼めば、ジャガイモを買ってくるでしょう。リンゴを買ってくることはないだろうし、ましてや、たわしを買ってくることはないでしょう。(フランス語なら聞き違いで買ってくる恐れがあり得ます。フランス語で、「…

いきることはうたうこと

ある日学校の先生が 生徒達に問いかけました にわとりの卵が先ですか それとも親鳥が先ですか 親鳥が先 卵は親鳥が産むから 卵が先 卵が育って親鳥になるから あなたはどう思いますか 卵が先 それとも親鳥が先 親鳥でもなく 卵でもなく はじめにことばありき…

みつぐ 貢ぐ 身継ぐ 見継ぐ

みつぐ 貢ぐ 身継ぐ 見継ぐ 人間であれ、動物であれ、何かを相手に 貢ぐ、贈る、プレゼントすることで 関係を結び、維持しようとする行動が 観察されるようです 「貢ぐ」という言葉は、「身継ぐ」 つまり、「この身を、神や共同体や全体と繋ぐ」ということば…

預言者修業

世の中には、預言者といわれる人が、色々なレベルでいるようです 預言を聞かせてもらう前に、こういう質問をしてみる 授かった預言は、全て語っているのですか? 授かった預言は、全て語るべきだと思っていますか? 語るべき預言と語らざるべき預言の判断は…

この世は夢よ 夢を見よ

「これから、世の中はどのようになっていくのだろう」 「その予測の下、私はどう生きるのがいいのだろう。なにができるのだろう?」 という問いに対して オーソドックスには 「過去の出来事から予測すれば、○○になる。」 「(○○史観や因果法則に従って予測す…

自信と不信と空と上達とクレーの天使

自信と不信と空と上達とクレーの天使 人生を、生き甲斐あるもの、意義あるものにするには 「自信」が大切である、ということは多くの人が認めると思います。 「自信」といっても、色々なレベルの自信があります。 多くの場合、「自分には力がある、優位だ」…

問診と試作のコミュニケーション

治療・援助・子育て等を行う時、訪問者・相手の表現を聞きとり、 診断・判断することの大切さはいうまでもありません。 診断しないことには、次の治療方針が決まりません。 ところが、訪問者は、自分のことでありながら、 自分に起こっていること、自分の身…

詩の表現について

今話題になっているある人の詩の表現で、気になっている部分があります。(決して、その人や、その作品そのものを批判しているのではありません) < お国のために と 死にいそいだ 若者たちがいた > と表現しています < いそいだ >という表現が気になり…

テレビのない山の朝の目覚め

テレビのない山の朝の目覚め 山の朝は 鳥の声で目が覚める 谷の底を流れる川の水音が 床から響いてくる 薄い闇の中 季節ごとに 鳥の声は変わり やがて朝の光が 家の中に射してくる 鳥達が鳴いている山には かつて棚田があった 年貢を納めながら 額に汗し切り…