平成2年(1990)9月19日に和歌山県白浜町に台風19号が上陸しました。11日後の9月30日には台風20号が同じく白浜町へ、10月8日には台風21号が田辺市に上陸しました。
この時、私の家から街につながる道路には木が倒れ込み、通行不能となり、また停電が復旧するのに数日かかりました。
以来、我が家では、そうめんやそばなどの乾麺を普段から大目に保存してきました。
ところが、最近、ゾウムシが大量発生し、スパゲッティにも被害が及びました。
角山栄・村岡健次・川北稔著「産業革命と民衆」河出書房新書 1992には
産業革命以前の農村共同体においては
< もし社会的余剰が生じた場合は、これを自然的循環を破壊しないような形で蓄積されるか、あるいは閑暇(レジャー)を増加させる方法で使用された。>
とあります。
沢山農産物を生産し、蓄えても、自然の摂理として、虫に食べられたり、劣化していくのは当然、ある程度の備蓄は必要でも、必要以上だと、保存期間が長くなり、我が家のようになります。
たくさん獲れれば、産業革命以前の農村共同体のように、その分休んだり、楽しんだりすればいいのですが、
農産物で貯蔵することはやめ、お金や疑似通貨に利子をつけて保存するという方法を、産業革命以後我々は編み出しました。
しかし、
充分生産物があっても、分配は不平等、自然破壊はますます進んでいきます。
採れすぎた場合は、捨てたりします。
でも
思ってもみなかったところから、思ってもみなかった新しい産業革命が、始まるのかもしれません。
既に始まっているのかもしれません。
私が小学生の頃、一人一人が小型の電話を携帯するということなど、SFの世界の出来事であり、私が生きている間には実現しないと思っていました。
因果に落ちずではなく、因果にくらまず生きていたいと思っています。