2010-01-01から1年間の記事一覧

諸行無常 南無阿弥陀仏

「一切は無常である」と私たちは「ことば」にする。 確かに万物は流転し、諸行無常であろうが 「ことば」が無ければ、人間にとって無常もまたないのであろう。 「ことば」で認識し、記憶し、再生するがゆえの、「無常」。 快、不快は、人間が発声することば…

記号論と写像論

現在来院中のある年配の女性は、地元の小さな結社で、長年俳句を詠っています。 今日こう述べられました。「俳句とか短歌などをやっていない人と、同じ場所を旅し、同じように歩いても、感じ方、見え方が全然違う」と。 文学と言えば、自ら実践しない人は、…

重荷を背負う

重荷を背負う 重荷を背負うと、独特の姿勢になる 背筋は伸びないので、足元の地面を見つめることが多くなる 重荷を背負っていなかった時も、足元の地面を見ることがあっただろうが 実際重荷を背負って暮らして見て、やっと見えてくる地面があろう ところが、…

ことばのことなど

大人の人に、「ジャガイモを買ってきてね」と頼めば、ジャガイモを買ってくるでしょう。リンゴを買ってくることはないだろうし、ましてや、たわしを買ってくることはないでしょう。(フランス語なら聞き違いで買ってくる恐れがあり得ます。フランス語で、「…

いきることはうたうこと

ある日学校の先生が 生徒達に問いかけました にわとりの卵が先ですか それとも親鳥が先ですか 親鳥が先 卵は親鳥が産むから 卵が先 卵が育って親鳥になるから あなたはどう思いますか 卵が先 それとも親鳥が先 親鳥でもなく 卵でもなく はじめにことばありき…

みつぐ 貢ぐ 身継ぐ 見継ぐ

みつぐ 貢ぐ 身継ぐ 見継ぐ 人間であれ、動物であれ、何かを相手に 貢ぐ、贈る、プレゼントすることで 関係を結び、維持しようとする行動が 観察されるようです 「貢ぐ」という言葉は、「身継ぐ」 つまり、「この身を、神や共同体や全体と繋ぐ」ということば…

預言者修業

世の中には、預言者といわれる人が、色々なレベルでいるようです 預言を聞かせてもらう前に、こういう質問をしてみる 授かった預言は、全て語っているのですか? 授かった預言は、全て語るべきだと思っていますか? 語るべき預言と語らざるべき預言の判断は…

この世は夢よ 夢を見よ

「これから、世の中はどのようになっていくのだろう」 「その予測の下、私はどう生きるのがいいのだろう。なにができるのだろう?」 という問いに対して オーソドックスには 「過去の出来事から予測すれば、○○になる。」 「(○○史観や因果法則に従って予測す…

自信と不信と空と上達とクレーの天使

自信と不信と空と上達とクレーの天使 人生を、生き甲斐あるもの、意義あるものにするには 「自信」が大切である、ということは多くの人が認めると思います。 「自信」といっても、色々なレベルの自信があります。 多くの場合、「自分には力がある、優位だ」…

問診と試作のコミュニケーション

治療・援助・子育て等を行う時、訪問者・相手の表現を聞きとり、 診断・判断することの大切さはいうまでもありません。 診断しないことには、次の治療方針が決まりません。 ところが、訪問者は、自分のことでありながら、 自分に起こっていること、自分の身…

詩の表現について

今話題になっているある人の詩の表現で、気になっている部分があります。(決して、その人や、その作品そのものを批判しているのではありません) < お国のために と 死にいそいだ 若者たちがいた > と表現しています < いそいだ >という表現が気になり…

テレビのない山の朝の目覚め

テレビのない山の朝の目覚め 山の朝は 鳥の声で目が覚める 谷の底を流れる川の水音が 床から響いてくる 薄い闇の中 季節ごとに 鳥の声は変わり やがて朝の光が 家の中に射してくる 鳥達が鳴いている山には かつて棚田があった 年貢を納めながら 額に汗し切り…

自己愛と課題の分離

母が、あるいは父が 我が子を、我が身のように、我がことのように 我が身の分身として、 一体感をもって、慈しむのは、大切なことと思う だけど、いつまでもそのような関係でいることは 望ましいとは思わない 子供は子供で成長し、 自らの人生を自らの判断で…

自己愛性人格障害?

ある人の行動傾向について考えていて ネットサーフィンをしていたら 自己愛性人格障害という言葉に出会った 私が困っているその人の行動は 他者との会話において、自分や自分の家族の自慢が多いということ 相手の出来事、感じていることを引きだすことよりも…

寝返り瞑想

「甘い」「酸っぱい」「みずみずしい」「歯ごたえがある」「美味しい」 以上の言葉の中で、仲間はずれの言葉はどれでしょう? 何を選別の基準とするかで、答えは違ってくると思います。 私が意図した質問の答えは、最後の「美味しい」という言葉です。 サン…

差異を見出す 差異を捨てる そうして脳地図を書き換える

仕事、芸術、スポーツなにごとであれ 更になめらかで適切な動きを生み出すには 入出力の情報群の中に「差異を見出す」ことが必要で 同時に「差異をとりあげない」ことも必要だろう このことも、これまで表現を変えて何度か書いてきた 絵を描ける人は、ボタニ…

今日も気づきの日

「今日も気づきの日」と自分に声をかけながら 朝から昼までを過ごした すると、いつものように日常は日常として流れていくのだけど 人に触れる手触り、そして言葉かけのことばの手触りの感じが違う 一時期に来院する人が重なって、何人か少し待ってもらった…

分節と編集

少年期のころは、隣にいる人は、私と同じように 世界を見ている、音を聞いていると、思っていた。 しかし、日本人にとって、虹は7色で表現するが 国によっては、3色で表現するところがあることを知った。 日本人なら、鶏の声は、日本全国「コケコッコー」と…

洗濯女 これから私はどう生きるんだろう

「昔々あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。 おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に出かけました。」 という話を、日本人のほとんどの人は子供のころに聞いたと思います。 洗濯と私達の日常は切り離すことができません。 で…

減量中

午後8時36分 今はまだ、仕事場にいて、パソコンに向かっている。 このまま家に帰ると、そこには電話も、テレビも、パソコンもない。 シャワーを浴びて、フロアバレエレッスンをしていると 10時ころには眠くなる。 約5キログラムやせた。 一日に、平均200…

奪われても、手放しても最期に残るもの

真面目な仏教徒なら「業」と言い切るかもしれない 時々、突然なにかを、あるいはすべてを手放さなければならないような状況を 想像体験する まずは抵抗する 様々な予定というものを計画していて 計画を手放すということは苦しい 思考実験しなくとも、こうい…

天命 ひとりひとりの人生のそれぞれの意義

私達一人一人には、一人一人が授かった仕事、「天命」がある それは、私だけに授かった「私そのもの」を育て上げること 最期の最期まで 育て続けること 思い通りにならないことこそ 私を育ててくれる 老いてやがて必ず死ぬということこそ 私を育ててくれる …

父なき世代 神は死んだのか

父なき世代とは、 「第一次大戦の直後に世に出た世代」 「伝統文化を見失った世代、というほどの意味である」 評伝 アンドレ・マルロオ 村松剛著 中公文庫 にはそう説明されている。 このことは以前にも語った。 更に 「父がいないということは、自力で運命…

多重性ということ 寛容ということ

聴覚に障害がある人が、手話で会話することは、 ごく日常の行動です。 NHKでも、手話ニュースの時間があったり、講座が開かれていたりします。 でも、かつては、聴覚に障害のある人たちの学校では、 手話が禁止されていた時代があったそうです。 手話ではな…

内部モデル・イメージについて

内部モデル・イメージと跳び箱を飛び越えること 幼いころを振り返ってみると、跳び箱は飛べたように思う ただ、高い壇になると飛べなかった 高校の時、初めて平行棒に触ったが 求められる動きが全然できなかった 今になって、脳科学の内部モデル理論を知り、…

今日という日

私達は、色々なことにおいて、多重の生活を送っているように思う例えば、今日という日は、明日に繋がる過程の日であり 同時に、そういった今までの日々が集積し到達した日であると思う 今日という日は、手段であり、また同時に目的であると思う ところが、多…

スタイルを変える ダイエットから見えてくる世界革命

7月25日に講座を開く。その時の資料の一部として、ここ最近考えていることを、A4二枚分にまとめてみた。 「痩せたい」「体重が減らしたい」「姿勢を良くしたい」これらを別の表現をするなら「スタイルを変えたい」ということでしょう。 いままでどおりの生活…

今日はどんな日

テレビを見ない日が続いている 今日来院した人によれば テレビは参院選のことばかりをやっているという 今回も期日前投票をした 民主党がこういう結果になることも予測していた 私の一票が今後の国政にどのような影響を与えたのか よくわからない 今日来院し…

私の悲しみは私だけのもの

学習と上達について再び フェルデンクライスは 「われわれは自らの自己イメージ通りに行動する。」と述べました。 (フェルデンクライス身体訓練法 大和書房 9頁) 更に 「この自己イメージは、遺伝、教育、自己教育という三つの要因に制約される。」 とのべ…

陰極まりて陽となる

生存と上達のパラドックス 陰を極めて陽となる 誰でも「死にとうない」と思う時があると思います 誰でも「上達したい」と願う時があると思います 努力を重ねれば、生き延びることができ、 ある程度まで、個人の能力は伸びます やがて、ある限界に達します 多…