意識革命 コクトーを想う
てのひらをみつめながら
ゆびをおもいっきりのばしてみる
指と指の間も広げ
掌も反り返らせる
その時、手に感じる感覚は、
皮膚や筋肉が伸び広がっていく感覚のように
疑いなく思う
しかし、筋肉は、自ら延びることはない
伸筋と言われている筋肉が「収縮」し
その結果として、伸筋と拮抗している屈筋という筋肉が
のびることになる
そう思って、改めててのひらを見つめながら
ゆびや掌を広げてみると
伸筋の収縮も感じることができる
さて、その広げたてのひらを
みみの穴に向かって近づける
ある距離になると
Syaaaaaa
という音を感じるるようになる
さてこの音は、何の音だろうか
幼い頃、海岸で巻貝の殻をひらってきて
みみにあててあそんだ
ジャン・コクトーの詩に
「 私の耳は貝の殻
海の響きを懐かしむ 」という詩がある
音が聞こえる ということは
空気が震え それに合わせて
鼓膜が振動しているということ
鼓膜が振動すれば
槌骨、砧骨、鐙骨が動いている
どこかに音という実体があるのではない
世界全体が震えていて
それにあわせてちいさなほねがふるえている