2013-01-01から1年間の記事一覧

「と」という助詞にちなんで

「〜と〜」という助詞、なかでも並列の助詞について、私は、十分使いこなしていると思っていました。 パンとバター、テーブルとイス、医師と看護師、針と糸 といった具合に、名詞を二つ並べ、その間に「と」を入れて使います。 実際、それらは横に並べること…

縁起の法を生きるということ たとえば注意するという行動を事例に

ある場面で、例えば子育て中に子どもの行動に対して、「あ、間違ったことをしている」と判断し、注意することがあります。 すこし瞑想的に観察してみましょう。 来週から期末試験が始まるときに、子どもさんが、夜遅く絵を描いていたとします。そこで「来週…

朝に道を聞かば 夕に生きて 死すとも可なり

少年期から青年期にかけて私は、論語の中にある「朝聞道、夕死可矣」という言葉に魅かれていました。 私の少年期と言えば、高度成長期の頃で、東京でオリンピック(1960)、大阪で万博(1970)が行われた頃です。当時も今と同じ、紀伊半島の端、生まれ故郷で暮…

重力は大地の絆

自閉症傾向と思われる人々が、リズムある反復運動を繰り返すことがあります。このリズムある反復運動のことを、常同行動、自己刺激運動、ロッキング・フラッピングと言ったりします。 ぴょんぴょん飛び跳ね続けるという行動も、自己刺激運動といわれます。み…

侵略者は貧しい

「侵略者」は 貧しい 侵略者は「心 ここにあらず」 侵略者は いつも足りないモノを数えている 今 じぶんをふりかえって 心ここにあらず 足りないモノをあれこれ数えていたら 知らない間に 侵略者に目を閉じている 気付かないうちに 侵略者になっている いま …

いっしょくた 一緒くた 一即多

「いっしょくた」という言葉はこれまで、ひらがなで「いっしょくた」と書くものと思っていました。 国語辞典を引いてみると「一緒くた」という項目があり、何もかも一緒にしてしまう事、「くた」は「塵あくた」の「くた」に通じるなどと説明があります。 と…

ことものこと

原始仏典によれば、釈尊は「縁起の法」を悟ったと言われています。そして、縁起の法の内容は、 「これがあれば、これがある。これが生ずれば、これが生ずる。これがなければ、これがない。これが滅すれば、これが滅する」と表現されたりします。 ところが、…

生きるということ 弁別と般化 納得し充実し愛しあって生きるために

どうも、「絵を描く動物」は人間だけのようです。確かに、時々絵を描くチンパンジーや象が放映されることもありますが、あれはチンパンジーや象が絵筆で描きなぐったものを、人間が絵とよんでいること。他のチンパンジーや象が、それを見て鑑賞するわけでは…

絶望から笑みがうまれる

5月から、公民館が催している英会話教室に通いはじめました。初心者対象と聞いて言ってみたら、半数の人は常連で、ペラペラしゃべっていました。一回目は、自己紹介とフリートーク。講師先生は、町内の小学校、中学校でALT(Assistant Language Teacher:外…

森田療法と現代 (あるがままと全体論、階層論、行動分析学、ロマン

精神分析学を創始したフロイト(1856〜1939)が生きた同じ時代に、日本国内での豊富な臨床経験と生活実践から、日本人医師(森田正馬 明治7年1874〜昭和13年1938)によって創始確立された心理療法があります。それが森田療法です。 森田療法は、東洋文化に根…

朋遠方より来るあり また楽しからずや こいし絵講座

5月5日は、NPO熊野みんなの家開設5周年記念 「こいし絵」講座を開催しました。講座の理論編では、「弁別と般化」が、「行動分析学」の「要素分析」をからめて、テーマのひとつになりました。 人間関係において、相手の行動に対して、ほめたり、批判したり、…

春一番は熊野からコンサート

4月28日は、紀宝町のミュージックカフェで行われた「春一番は熊野から」に出演しました。その時感じたことの一部を作詞しました。7月の新曲新作コンサートで歌います。<< さあ手拍子を >> アマチュアが集うフォークコンサート 手拍子を聞いていると 必ず…

言葉と生きるということと「もどかしさ」

ここ一か月くらい、一日に一個、小石に花の絵を描き続けています。 「小石に絵が浮かび上がってくる」ということは、単純に楽しいです。数年前までは、全然絵を描けず、楽しめずにいたのが、あるきっかけで楽しめるようになりました。そして、「それ」を伝え…

三度目の正死期

これまで、2回死にかけた。一度目は20歳代の時、タイのバンコクで赤痢になった。隔離病棟へ隔離された。二度目は、50歳代。ヘモグロビン値が正常の三分の一しかなかった。 そういった体験以前に、「死ぬこと」を考え続けてきた。不適切に(過度に)死を避け…

鎌仲ひとみさんの「思考する少年」東京新聞コラム記事を読んで

グレゴリー・ベイトソンは、「精神と自然」(生きた世界の認識論)思索社の中でこう述べています。 <学校教育は、真に重要な問題は注意深く避けて通っている>3頁 <私はこれまで数々の学校、大学病院等で、大学一年生から若い精神分析医に至るさまざまなア…

近現代人の疎外

私のような一庶民でも、朝は自宅で朝食を食べ、その夕方には、中国・上海のホテルで夕食を食べるということが可能な時代になりました。例えば、江戸時代の私の御先祖さんと較べてみましょう。自分の暮らしている土地を離れると言ったら、せいぜいお伊勢さん…

言語行動によるルール支配行動と死ぬこと

「ファブリーズはいらない―危ない除菌・殺虫・くん煙剤 」 渡辺 雄二 (著) 緑風出版という本があります。 ファブリーズは、臭いの原因となっている菌を除菌することによって、臭いを消すことになっています。除菌は第四級アンモニウム塩などの化学物質によっ…

私の中での仏教とキリスト教の接点

私は、青年期に原始仏教に出会って以来、原始仏教徒と自称してきました。出家したわけではありませんが、人生の指針、世界の捉え方のよりどころを、原始仏教においてきました。曰く、諸行無常、諸法無我。 縁起、縁生、相依性。色受想行識・五蘊皆空。不生不…

これあるによりてこれあり

因是有是 此生則生 増谷文雄著「知恵と愛の言葉」より87頁 相応部経典 一二、二一 「十力」 2011.7.12

自然 physisとnature

今まで「自然」の外国語訳としては、「nature」ぐらいしか知りませんでした。 最近「physis」(フュシス)という言葉を知りました。紀元前6〜5世紀の古代ギリシャ語だそうです。natureとは少しニュアンスが違っていて、「おのずから生成する」「あるがまま」…

格差社会と心理学

< 初めに > 仏教から出た言葉に、「四苦八苦」という言葉があります。仏教では、「人生は基本的に苦に満ちている」と捉えます。古来より、如何にして苦しみは生まれ、如何にして滅していくかを人々は考え、苦の解決法を求め続けてきました。その一つの成果…

地図の地図を描く

禅宗の言葉に 「塵を払って仏を見れば、仏もまた塵」というのがあるようです。 僕たちは、確かに大地の上に立っていて、大地の恵みの食べ物を食べて、生かせてもらっています。大地や食べ物は「地図」ではなく、「現地」「現物」でしょう。 しかし、私は今ど…

えこひいきされています

入学式 幼い頃、「自分で何とかしようとする人は、強い」と思っていた。 少年期になって「自分で何とかしようとする自分は、実は弱い」と思った でも、ほんとに弱くて、自分で何とかしようと思った 痛くても、痛いと言わずに耐えていた 困っても、助けてとは…

世界全体が一つのシステムで、隠れたる神だと思う

「体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つである」 「目が手に向かって<お前は要らない>とは言えず、また、頭が足に向かって<お前たちは要らない>とも言えません。」 「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に…

隠れたる神

「肉眼をもて見るところの仏は、真仏にあらず。」 (一遍上人語録 巻下三五) 「元来二元論とは区別の原理であり、その区別の認識は人間の理性の所業なのである。だから二元論的に人間に対向した神とは、人間によってそのように把握された神であり、それは本…

ダンシングシヴァ

インドのシバ神は、創造の神。 ところがある日、せっかく作った世界を壊し始める破壊の神。 他の神々が問いました。 「どうして一生懸命創った世界を壊してしまうのですか?」 シバは舞踏の神、ナタラージャ。 問いにはこたえず踊りだす。 他の神々は問う「…

信じるということ「笑う門には福来る」

「笑う門には福来る」という諺の意味を、大人なら殆どの人が知っていることでしょう。 積極的な意味としたら (どのような状況の中にあっても、)目の前の事態を深刻がらずに受け止め、適切に対処していると、事態が好転したりする、という意味でしょう。 こ…

自力門から他力門へ

自力門 「私が何とかしなくては。」 (でも、問題が大きすぎて、私はあまりにも非力だ) 他力門 「私も何かさせて頂こう。」 (たとえ、無一文でもできることがあるはずだ。)

NPO熊野みんなの家 心理学春講座資料  テーマ「称名念仏とカウン

はじめに 春講座の目的 生老病死、四苦八苦。いつの時代であっても、どのような境涯であっても、人生には様々な課題が待ち受けています。どの課題解決方法を選ぶにしても、その根本になるであろうと思われる「信」について共に見つめ直してみましょう。提起…

The power of words. mild and wild power

The power of words.という題名の動画が、フェイスブック上にアップされていて、昨日そのリンクを観ました。 内容としては、目の不自由なホームレスと思われる男の人が、乞食をしています。路上に座り、カン缶を置き、その横の段ボールには「I'm Blind . Ple…