2011-01-01から1年間の記事一覧

耐えるためのプログラム

苦しみとは、思うようにならないものを、思うようにしようとする時に生まれる。 思うようにならないことのひとつが、隣人の言動、こころの有様、その人の一生をかけて作ってきた思い込み。 そこで、耐えるためのプログラムが必要になってくる。 耐えるための…

生きることを綴りましょう

毎年の事なのですが、春夏秋の時期は、通信制大学の学業がなかなか進みません。原因は分かっています。テキストを読んでいるうちに、道草を食ってしまうからです。 今は学校カウンセリングのテキストを読んでいます。日本の教育史について、以前から流れはつ…

かたばみ草

学校の先生が ある日言いました 人生を花にたとえるなら蓮の花例え泥の中に生まれてもきれいな花を咲かせなさい(でも) 私の人生を花にたとえるなら道端に咲くかたばみ草泥にまみれて生きていく踏まれ踏まれて生きていく 茎が折れても生きていく日照りにな…

罪の意識と苦杯を飲むということ

○はじめに 罪という意識は、人類の歴史の中でいつごろ生まれたのでしょう。罪という意識は、人間の暮らしの中で、どういう影響を与えてきたのでしょう。 そして今、どういう影響を与えているでしょう。罪という意識・ことばについて、キリスト教や他の宗教と…

デジタルとアナログ digital analogue

何も分からないままこの世に生まれてきて、生きて、生きて、少しだけわかったような気になって、実は何も分かってないまま、この世から離れていくのかもしれません。 それを無明の混沌と捉えるか、安らぎの夢とするかは、それもまたわかりません。 デジタル…

武蔵野夫人

溝口健二監督「武蔵野夫人」1951年製作 を見ました。 1950年に発表され、ベストセラーとなった大岡昇平の小説「武蔵野夫人」を映画化したものです。(小説を映画化した多くの作品が、原作とは別の作品と捉えた方がいいように、この映画も、小説とは別の作品…

愛と瞑想

愛と瞑想 ○「愛のある生活、愛の無い生活、あなたはどちらを望みますか?」 「愛のある生活と愛の無い生活ではどちらがいいですか?」 と質問されると、大抵の人は、「愛のある生活がいいに決まっている」と答えると思います。 更に質問を重ね 「では、あな…

武蔵野夫人 虐待 モデル

私は昭和29年生まれです。中学生の時に、テレビで東大安田講堂の攻防を見ながら受験勉強し、高校生の時には、同じく、テレビで浅間山荘事件の中継を見ながら、受験勉強をしました。こう書いたら、自分より年上の人々は、大体の時代背景や雰囲気はわかると思…

陰性パーソナルスペースと陽性パーソナルスペース

苦しみとは、仏教での語源を調べていくと、「自分の思い通りにならない」ということ。 特に、他者との関係において、自分の思い通りにならないことが多いです。 人と人の関係を紡ぎだしていく上で、もっとも使用されている道具とは、「言語」でしょう。同時に…

パーソナルスペース

パーソナルスペースという概念が、心理学にあります。 ウィキペディアには < パーソナルスペースとは、他人が近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリアとも呼ばれる。一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民…

大脳基底核からのほほえみ

あすから東京へ出かけます。通信制大学のスクーリング授業を受けます。 朝から夕方まで、実験演習授業なので、教科書以外の本を読む余裕はないと思うのですが、それでも何か息抜きの本をと思いました。 本棚を眺めていたら、以前買ったけど読了していない「…

暑中お見舞い申し上げます 忍耐と受容

ひとり親家庭の女性(37歳)が来院されていて、仕事場(飲食関係)の様子を時々語ってくれます。フロアーのチーフであり、新しく入ってきた人の教育指導も任されています。 採用されて5カ月になる女性が、この8月で体調不良(微熱が続く)を理由に辞めるそう…

全ては縁

脳挫傷の傷を受けた方、脳梗塞を発症された方が、その後接骨院に来院することがあります。 といっても、脳挫傷や脳梗塞のリハビリは、接骨院の業務適応外です。 正確に言うと、以前発症した体験があり、一応治癒、症状固定といわれ、後遺症を持ったまま、そ…

ともかく観ること、表現すること、関わること

現在、日本人の平均寿命が、男女とも80歳を超えています。 その平均寿命に近づいた頃、何らかの病気、例えば癌になってこの世を去るとしても、それまで食べていくには困らないほどの年金があり、医療費や葬式代もねん出できると見積もれるとしたら、それは、…

均一であったり、閉じていたりしては、生きていると言えない

私の何気ない日常の一つの行為、例えば、今こうしてパソコンに向かって文章を打ち込んでいることや、さっきの昼休みに、知り合いのパン屋さんに行って天然酵母のパンを買ったことは、なによって生まれているかを考えた時、自己保存本能(食欲)とか、欲望と…

キリストはどこにいるのか

「キリストはどこにいるか」「小さきもの」をキーワードにして、検索したところ、有島武郎『小さき者へ』『生れ出づる悩み』(1918年)の事を書いたHPに至りました。 有島武郎『小さき者へ』『生れ出づる悩み』については、名前や題名をこれまで何度も目にし…

うかうか

「うかうか」暮らしていると、刺激に対する反応だけで生きてしまいます。 「自分の好きなことをして生きている」「忙しくあれこれしている」と本人は思っていても、実は、うかうかした暮らしであったりします。本人が自分の「うかうか」に気づいていないとい…

生と死のミックスジュース 生きることの意味

生きることの意味、生きることの価値を考える時「ともかく、生き延びることに意味がある」という声が聞こえてきます。アメリカのヒーロー映画は、名目は正義のために戦うのですが、底流では「生き延びなければ意味がない。」と語っているように思います。テ…

生のジュースと死のジュース、ミックスジュース

貴方が日々日常を生きるにあたって、実に色んなことをします。食事、着衣、仕事、勉強、交友etc. 色んなことをするといっても、貴方の価値観に沿って、いろんな選択肢の中から、選んで行動しています。価値観に沿って、あるいは目的、目標、理想に沿っての行…

数学と人生

知人から、「子どもの数学の成績が落ちてきているので、見てもらえないか」と依頼を受けました。「すぐに成績がアップするということにはつながらないかもしれないけれど、数学に興味を持ったり、好きになったりする特別講座ならできると思う」と返事しまし…

脱家畜化

柴田義松著 「ヴィゴツキー入門」子どもの未来社 寺子屋新書 2006 を読んでいて、ふと思いました。 「最近の子供たちは、何歳ぐらいでりんごの革むきができるようになるんだろう」と。 インターネットを調べてみると、小学五年生で夏休みの宿題として、リン…

気づかないうちに、肩に力が入っています

一体何歳頃までだろう?ある歳まで、ゆるぎない客観、ゆるぎない真理というものがまずあって、その客観・真理に対して、不完全、部分的な、あるいは歪んだ主観があると思っていた。 歪みを矯正し、部分を総合させていけば、より客観、真理に近づいていくもの…

予定に縛られず道草しよう

京都在住のシンガーソングライター、豊田勇造さん(61歳)が今年3月に発表した新曲を紹介します。作詞は、ダライ・ラマ14世となっていますが、そのまた元詩は、アメリカの牧師さんのようです。 The Paradox of Our Age 大きな家に住んでいる 小さな家族で 便…

放射能の中を生きている

かたばみ草 学校の先生が言いました 人生を花にたとえるなら蓮の花 例え泥の中に生まれても きれいな花を咲かせなさい 私の人生を花にたとえるなら 道端に咲くかたばみ草 泥にまみれて生きていく 踏まれて踏まれて生きていく 茎が折れても生きていく 日照り…

熊野の森の話 乞食僧

十数年前に書いた文章が出てきましたので、今日はそれをブログに載せます。 インターネットを始めて2ヶ月余りになります。約20年ぶりに高校時代の友人と連絡が取れ、e-mailが届きました。その中に、「私にはトラウマがあって、安心感を求めてしまう」とい…

熊野の森 幽霊草幻想

幽霊草という植物を御存じでしょうか? ギンリョウソウ(銀竜草)というのが正式な名前です。陽の当らない深い森の中で見かける草です。茎も葉も花も、全身が透き通った白色をしています。というのは、葉緑素がありません。光合成しないのです。落ち葉が何年…

言語としての姿勢 言語に拘束される姿勢

「言語ゲーム」という言葉があります。 ゲームgameという単語から、「娯楽的な遊戯」をイメージする人もいるかもしれませんが、英語のgameという言葉は、もちろんテレビゲームvideo gameなどのように、娯楽的な遊戯といった意味で使ったりしますが、試合socc…

聖書と税と原子力発電所 2011.7.24

はじめに <集団生活と経済 分業と分配> 「人類」「人間」といわれる動物が、この地球上で、集団社会生活を営むようになってどれ位経つのでしょうか。生命科学として、あるいは、各民族や各宗教が持つ物語として、色々な説があります。 どの説をとるにして…

愛の記号論 キリストの愛の(私的)仏教的理解

「記号論」とか「写像論」という言葉だけを聞いても、それが日常の暮らしとどのように関係しているのか、イメージできる人は少ないかもしれません。 試しに「写像」「写像論」「写像理論」でインターネット上を検索してみると、複雑な数式を伴って、哲学や数…

自分との対話の瞑想

自覚し、随分気をつけているつもりであっても、いつの間にか、自分が立てた自分の一生の予定、一日の予定、目の前の予定に縛られていたりします。どのように予定を立てたところで、世の中、隣人、私自身の心とからだも、予定通りになる訳ではないのに、「あ…