あなたは目覚めているか?

「おはよう!あなたは目覚めているか?」
 
「おはよう。何だよ、いきなり。<目覚めているか>と問われるとね、そりゃ、こうして話をしているから、眠ってはいないけど、
君の言葉のメタメッセージのことを思うと、眠ってはいないけど、目覚めているわけでもない」
   
「昔読んだ心理学の本にね、イトヨという魚の行動のことが書いてあってね
イトヨのオスは、生殖期になると、縄張りに近づくオスを威嚇する。
何で雄と雌を識別しているかというと、お腹の赤い色であるらしい
赤なら大概のものに反応し、ザリガニとか水槽の外の赤い郵便車にも反応したという内容だったと思う」
      
「で、僕たちの大概の行動も、イトヨとあまり変わんないってこと?」
  
「意馬心猿って言葉があるでしょ、自ら意馬心猿してると思う?」
 
「そういわれれば、僕たちはイトヨとあまり変わりなくて、目覚めているとは言いがたい。」
 
エスあるところに、エゴあらしめよ」
 
「それもひとつの目覚めだろうけど、
 エスもエゴもメンバーとするクラスの視点に立つのが目覚めではないですかね」
 
精神分析もメンバー、行動療法もメンバー、ゲシュタルト療法もあるクラスのメンバーという視点ね」
 
「そのクラスには要素論という名前でも付けますか?」
 
「ところで、私達目覚めているだろうか?」