那智勝浦町太極拳教室

今夜は、那智勝浦町で、太極拳の講師を努める。今夜の講座のレシピ。

<<運動法としての太極拳  動く瞑想としての太極拳>>
 
太極拳を始める動機として、健康増進が挙げられます。
では、太極拳が、どのようにして健康増進につながるか、考えて見ましょう。
 
<生理学的レベル>
 ある人が、膝に不安を抱えていて、「健康食品のコンドロイチンの錠剤を毎日飲むのが良い」と聞いたとします。
 しかし、しばらく続けますが、あまり効果を感じなかったとします。
 そこで、別の人から、「コンドロイチンではなく、ヒアルロン酸が良い」と聞いて、ヒアルロン酸に切り替えます。そうすることによって、改善されるとしたら、それに越したことがありません。
 
 コンドロイチンもヒアルロン酸もあまり効果が感じられないとき、どうするでしょう。「別の健康食品を探す」という方法もありますが、「方法」ではなく、「考え方」を変えるという道もあります。
 
 例え、からだに良い食品を摂取しても、消化器がそれを吸収しないと意味がありません。そして血液が、目的の器官に届けてくれないと、つまり血行が良くないと、いくらよい食品を摂取しても効果を期待できません。
 
 そこで、血行を良くする為に、私達は、運動をしたり、お風呂に入ったり、湿布で暖めたりします。
 生理学的レベルでみると、太極拳も血行を良くしてくれます。
 
 又、姿勢が良くないと、内臓を圧迫し、内臓の働きが衰え、血行が悪くなります。太極拳を続けると、ゆったりした姿勢がつくられ、内臓の働きがよくなります。
 
「継続は力なり」といいます。筋肉は使っていないと、「廃用性萎縮」といって、縮んだり硬くなったりします。かといって、過度の使用は疲労します。
一度に沢山の量をこなすより、少なくとも毎日続けましょう
<心理学・対人関係レベル>
 
 からだに良いものを摂り、適度な運動をしていても、対人関係がストレスになったりすることがあります。
 
 対人関係を改善するに当たっても、あれこれ「付き合い方の方法」を変える、というレベルの改善が先ずありますが、「方法」ではなく「考え方」を変えるという更に上のレベルの改善方法があります。
 あれこれ「方法」を変えても上手くいかない時には、「考え方」を変えてみましょう。(例えば、相手の上に立とうとする→相手を援助し協力する)
 
 「方法を変える事によって改善されるストレス」なのか、あるいは「考え方を変えないと改善されないストレス」なのか、冷静に状況を見つめ、判断することが必要になってきます。
 
 ゆっくり自分の動きを確認しながら、套路の練習をすることは、冷静に状況を見つめ判断する練習(瞑想)になります。
 先ずは、ゆっくりと息を吐くことがお勧めです。
 
 力んだり、険しい顔をして、相手を自分の思うように変えることばかりを考えるのではなく、相手の心身の動きを良く知り、自分が変わることによって、相手が変わるということを、「推手」を通じて学ぶことが出来ます。
 
 力を抜きます。力を抜くいい方法は、ゆったりした呼吸と微笑むことです。状況の厳しい時ほど、意識的に、深呼吸し、微笑んでみましょう。
 
<姿勢が変わると、人生が変わります>
 ゆったりして、背筋の通った姿勢になると、人生が変わります。例えば、「視野が狭い→視野が広い」「肩身が狭い→恰幅がよい」「胸が塞ぐ→胸が広がる」「肩肘を張る→物腰が柔らかい」「腰が入らない、逃げ腰→本腰、肚が据わる」「足が地に付かない→足が地に付く」「頚をすくめる・筋が通らない→筋が通る」「息が切れる→息が長い」
 呼吸を変えると、姿勢が変わります。