時代の中にて 時代を超える生を

今から19年前 1994年 
アフリカのルワンダで起こったことを
あなたは覚えていますか あなたは知っていますか
  
100万人の人が殺された
ツチ族フツ族も元々は同じ民族
宗教も言葉も文化も同じだった
同じ村に隣同士で住んでいた
  
19世紀になって
ヨーロッパからやってきた人々が 
彼等を二つに分けて差別した
主に遊牧していたツチ族を優遇し フツ族を貶めた
最初はドイツ その次にはベルギー
   
第二次大戦後 アフリカに独立の機運が高まると
ベルギーとカトリック教会は 掌を返すように
フツ族を優遇し フツ族の政権ができた
そしてフツ族ツチ族はお互いに闘い憎み合う
多くのツチ族の人が隣の国々に逃げ出した
   
元々一つ民族で宗教も言葉も文化も一緒
一つの村に隣り合って暮らしていたのに
ヨーロッパの人々が二つに分けた
  
国連の平和維持軍もいたけれど
後に事務総長となったアナンは動くことはなかった
   
1994年フツ族の政府によって
組織的にツチ族への虐殺が始まった
市長も、町長も、警察官も市民も虐殺に加わった
100万人の人が百日の間に殺されて行った
一日に一万人 一分の間に7人
いままで同じ村に住んでいて
同じ店で物を買い、隣に住んでいた人に
鉈で切り裂かれた 辱めを受けた 
   
その間、ラジオは、暴力を扇動し、殺戮をあおり続けた
あれから19年 ルワンダはどうなったろうか
日本の国はどうだろう
安部政権が生まれ
生活保護費の10%を削るという
マスコミは煽る、扇動する
まともに働いた人々の収入よりも、
生活保護費の方が高い だから削って当然と
マスコミの人気者のハシモトは言う 
最低賃金を撤廃すればいいと
生活保護費が高いのではなく、最低賃金が安いのに
マスコミは、削減を煽る 市民は頷く
生活保護費を受ける人の数200万人 
和歌山県民の2倍の数
  
国連の発表によれば
世界人口は約70億人
世界で生産される食糧は120億人分
50億人分余るはずなのに
一日10万人の人が飢餓で死に
10億人の人が飢えている
   
僕たち人間は何処からきて何処へ行くのだろう
ある人々は言う 理想は過去にあったもの
これからは破滅の道、終末がやってくると
ある人々は言う
大いなる矛盾を越えて未来に理想が訪れると
ある人々は、したり顔で歴史は循環するという
    
ルワンダの虐殺で、父母を失い、片腕を切り落とされ、
目をえぐられ、生き延びたキリスト青年が嘆く
    
神よ どうして私達を見捨てたのですか
神は死んだと述べながら 彼は言う
死んでいった人々はキリストの姿に似ていると
   
私達は何処からきて何処へ行くのか
明日の日がどんな日か それは永遠の謎
   
今をどう生きるかを答えるのは神ではなく
私たち一人一人が答えること
私たち一人一人が 今 答えること