自己カウンセリングのお絵かき講座

カウンセリングのキーワードに、「自己一致」という言葉があります。
「自己概念」と「実際の経験」との「かい離」は、不適応などに繋がったりします。理想的な自己概念を抱いていても、実際の体験が一致しないと、それは苦しみとなりますし、逆に否定的な自己概念を持っていると,それが先入観となり、肯定的な体験があっても認めようとしません。そして、現実体験を避けたり、ますます理想や自己概念に縛られたりします。
 
また、自己一致の邪魔をしているのは、技量よりも実は、私達の言葉づかいだったりします。(一般意味論)
  
 書道、柔道、弓道など道のつく伝統的芸術や武道は、古来より自己概念と現実体験の一致を図ってきました。
 
今回、自己カウンセリング技法のひとつとして、お絵描き講座を開催します。「私には絵は無理だ」と考えたとしたら、それが「固定した自己概念」です。新しく、楽しい、そしてロマンチックで、目からうろこが落ちるような現実体験が待っていますので、是非ご参加ください。
   
日時2月11日午後2時より 場所NPO熊野みんなの家
連絡先 天満823−5 熊野健康接骨院52−1969
   

一般意味論とは、<「言語その他の記号に対する人間の反応の研究であり、記号のシゲキをもって、またそれを受けての人間の行動の研究である。」>(思考と行動における言語 S.I・ハヤカワ 岩波書店)
        
記号のひとつである言語は、時空を超えて知識・情報を伝達することができます。ネアンデルタール人が滅んで、クロマニョン人(現人類)が栄えたのは、その言語力の差が大きく影響しているといわれています。
  
<コトバは人々の考えを形づくり、人々の感じかたを導き、人々の意志と行動とを方向づける>
(対比思考:コトバではなく、遺伝とか体質・体型、本能とか情動に重きを置く人々もいます。)
    
<この本の基礎にある仮定は言語の使用を通じての広い種内的協力が人間生存の基礎的機構であるということである。それと平行する仮定は、しばしばそうであるように言語の使用が不一致と衝突を作りあるいは激化させた場合には、話し手と聞き手、何れか一方または両方に言語的な欠陥があるということである。(20頁)>
      
言葉によって、私達は愛を表現することもでき、同時に言葉(言語的な欠陥)によってお互いや自分自身を傷つけることもあります。
       
目の前にあるものをよく観て、実際に絵を描く、技法を伝えるという行動(記号化)過程を通じて、一般意味論でいうところの言語の使い方と苦しみとの関係(言語的な欠陥)を明らかにしたいと思っています。
     
☆地図は現地ではない 地図は現地のすべてをあらわさない(非全体性)(コージプスキー)
☆不立文字 教外別伝 指先ではなく、月を見なさい(禅)
      
「ロマンチック」とは、
「現実離れしていて空想的で甘美なロマンス(恋愛)」を内容とするということではありません。18世紀末から19世紀にかけて行われたヨーロッパ、及びヨーロッパの影響を受けた諸地域の精神運動がロマン主義です。啓蒙主義以後の理性偏重、合理主義などに対し、感受性や全体性に重きをおく運動を言います。
   
私達は、理性による記号化(地図・言語)によって、全てを捉えることができる訳ではありません。と言って、理性を軽視し、捨てるのでもありません。地図は現地ではありませんが、地図を捨てると迷います。現地に沿った適切な地図を創ることが大切です。こういう生き方を、ネオロマン主義といいます。