マルグリット・ケネディさんが、著書「金利ともインフレとも無縁な貨幣」 小森和夫訳 の中でこう述べられています。
< 環境破壊、武器の製造、原発の建設や核の拡散等、こうした一連の流れが貨幣の動きとそれに伴う金利や複利を産み出す構造と根を一にしている。 >
貨幣に対する四つの根本的な誤解の中の二つ目として、
< 第二の誤解とは金を借りる時だけ利子を支払っていると考えていること >
実は、私たちの日常の支払いの中には、支払利子が組み込まれています。
例えば、1981年のドイツ、アーヘン市において、上水道のコストの内、38%が含まれる利子支払いコストであり、公共住宅の家賃では、77%が含まれる利子支払い分となっています。
第3番目の誤解として
< 第三の誤解は、私達が金を借りる際や物を買ったり、サービスを受ける際に支払う利子が、良くも悪くも公正に支払うことになっているということ、これも事実ではない。 >
ドイツの例ではありますが、250万世帯を、収入別に10の段階に分けて比較したところ、下位80%の人々は、利子支払いが利子収入より多く、次の10%の人々は、利子収入の方がやや勝り、上位10%の人々は、金利収入が金利支払いの倍となっています。
同じくドイツにおいて、1968年から1989年の間に、賃金は400%になっていることに対して、政府の金利の支払いは、1360%となっています。
今も、イスラム社会では「金利」が禁止されているといいます。キリスト教文化社会でも、かつては金利をとることは禁止されていました。
私は、町村合併問題が持ち上がった際に、自分の住む町の土地開発公社について調べてみました。2009年当時、約2億9162万円の固定負債があり、そのうち用地費は、約2億2000万円、利息が約7000万円、全体の24%になっていました。
個人や私企業にお金を貸せば、倒産する恐れがありますが、地方自治体はほとんどその恐れがないでしょう。
地震により、電源を喪失すると、どんなの頑丈な建屋があっても、原発はメルトダウンしてしまうことを、私たちは体験したわけですが、銀行の利子が、いまこのときもどのようにこの世界を動かしているか、精神的なメルトダウンが進行していることなどなかなか見えてきません。