生きる意義と意欲

 ある日男は、土をこねて神の像を作り始めた。実に丁寧に熱心に。何カ月もかけてやっと完成し、いつも目にすることができるよう窓辺に飾ることにした。すると、風が吹いて、カーテンを揺らし、神の像に触れ、神の像は窓辺から落ちて壊れてしまった。

 次の日から、また男は神の像を作り始めた。黙々と。熱心に。丁寧に。何日も何十日もかけて、神の像は完成した。男は本棚の上に置くことにした。男の妻が掃除をしていて、うっかり神の像に触れ、像は落ちて壊れてしまった。


 男はまた、次の日から神の像を作ることにした。これまでと同じように、黙々と、丁寧に、熱心に。やがて完成し、男は机に置いた。すると、子どもがその像に触れ、像は落ちて壊れてしまった。

男はまた次の日から、神の像を作り始めた。今度は飼っていた猫が像に触れ壊してしまった。

男は何もせずしばらく佇んだ。

すると神の声が聞こえた。「像がなくとも、お前の眼にはありありと私の姿が見えているではないか」と。
その声を聞いて、男はまた黙々と、土をこね始めた。

像が完成した時、男は満足気にその像を見つめ、自らその像を壊し、また土をこね始めた。