光合成

現代の私達の暮らしは、分業なしでは考えられません。
 
自給自足という言葉がありますが、原始共産制においても、個人による自給自足はなかっただろうと思います。もし、完全自給自足、狩猟採集生活を行うとしたら、日本の国土面積で暮らせるのは、70万人くらいであろう、と昔聞きました。
 
明治になってからの戸籍調査で、当時の人口は3000万人といわれていますから、農業を主とした分業社会では、それくらいは暮らせるということでしょう。
 
日本の食料自給率は、カロリーベースで約40%といわれますが、分業は国内だけでなく、国際間でも分業社会に成っています。
 
分業ゆえに、生産性も上がったと思いますが、仕事による満足感とか充実感は、分業が進めば、減ってしまうように思います。
 
とはいえ、もう江戸時代のような食糧自給国に戻ることは
よっぽど差し迫った状況を経ないと難しいように思います。
 
青年期の頃、自給自足という言葉にこだわって、農業を主体とした共同体を求めたことがあります。
 
一体地球はどれくらいの人口を養えるのでしょう。
 
長い間、私たち人類は、太陽光のエネルギーと生命体自身の光合成の力によるエネルギーで、必要なエネルギーをまかなってきました。
 
石炭や石油、薪はもちろん、太陽エネルギーと光合成の化身です。
水力発電もまた、太陽光あってのことです。
 
ところが、人間は原子力という今までなかったエネルギーを使い始めました。
 
確かに、取り出されるエネルギーの量は大きいです。
 
と同時に、破壊するエネルギーもまた。
 
太陽光エネルギーだって、それだけでは破壊的です。
 
窓辺に服や本を置いておくと、日焼けし、やがてボロボロになります。
 
光合成に立ち返ることが大切と思います。