意味の意味

「意味」という言葉の『意味』を考えると、これがなんと味わい深い。
 
 先ずは、辞書を引いてみると、広辞苑には
1. ある表現に対応し、それによって指示される内容
イ. ある言語形式によって示され、表される内容。わけ。
例「単語の意味を調べる」
ロ. 言語・作品・行為など、何らかの表現を通して表され、またそこから汲み取れる、その表現のねらい・かまえ・こころ。
例「何を言いたいのか意味が分からない。」
2. 物事が他との関連においての価値や重要さ。
 例「そんなことをしたって意味がない。」
とありました。
  
「意味」に関連して、次に「定義」という言葉の意味を考えてみました。
広辞苑には何やら難しい表現をしているので、ウィキペディアから引用します。
 
<定義(definition)は、一般にコミュニケーションを円滑に行うために、ある言葉の正確な意味や用法について、人々の間で共通認識を抱くために行われる作業である。一般的にそれは「○○とは・・・・・である」という言い換えの形で行われる。基本的に定義が決められる場合は1つである。これは複数の場合矛盾が生じるからである。>

まあ、科学の世界やら法律の世界では、言葉の意味をきっちり定義するのでしょうが、日常茶飯事の世界では、とても曖昧です。例えば、「愛」なんて言葉を、私達はよく使うのですが、共通認識を抱いているようには私には思えません。

ましてや、ある出来事の意味にいたっては、色々な解釈が成り立つでしょう。
 
更にまして、物理的な出来事に対して色々な解釈が成り立つ以上に、人間の行為に対しては、色々な解釈が成り立ちます。(言葉そのものが、人間の行為でしょうが。)

色々解釈が成り立つ中で、共感できる解釈と共感できない解釈があり、生きがいを感じる解釈とあまり生きがいを感じない解釈、勇気づける解釈とあまり勇気づけにならない解釈があるということでしょう。

何日か前にも書きましたが、

「法はもとより言なけれども、言にあらざれば顕われず。」と空海さんは言われました。
 
 ともかく、よく「観る」ことが始まりでしょう。