2012年を生きる

福島で原発事故が起こり、放射能が地球全体に拡散し、降り注いだ。
避けようにも避けきれない、消そうにも消せない放射能
人間の営みから生まれ、思い通りにならないことの象徴の一つになった。

そもそも仏教でいう「苦」の語源は、「思い通りにならない」ということ。

自分自身の体であっても、老いること、病むこと、死ぬことを避けることができない。

自分自身の心であっても、思い通りにならないことがある。
ましてや、隣人の心はもっと思い通りにならない。

怨憎会苦、愛別離苦、求不得苦、五陰盛苦 諸行無常
数々の思い通りにならないこと、矛盾を目の前にして、さてどう生きよう

怨んでも仕方ないこと 怒ってもどうにもならない 嘆いたらますます大きくなる

数々の思い込みを外すこと

われわれはどこからきて、どこへいこうとしているのか
何も知らない
 
 死を恐れ、死を追いやろうとする営みが、死の灰を生みだした
  
 老いていき、やがて死ぬ身でありながら
 赤い血が流れ、温かみを持った生命が、いまここにある
 放射能を浴びつつ 咲こうとしている花がある 種を宿す花がある