七仏通戒偈 善くあれ

k1s2011-11-22

 仏教に「七仏通戒偈」があります。初めてこの言葉に出会った人の為に解説いたしますと、仏教を開いた釈迦牟尼仏とそれ以前の仏達が説いたといわれる仏教の一番根本となる教えのことです。
 
 パーリ語では
Sabba pāpassa akaranam 「一切の罪を犯さぬこと」
kusalassa upasampadā 「善に至ること」
Sacitta pariyodapanam 「心を浄化すること」
etam buddhāna sāsanam「これがブッダたちの教えである」
と表されます。

漢語では
諸悪莫作 もろもろの悪を作すこと莫く
衆善奉行 もろもろの善を行い
自浄其意 自ら其の意(こころ)を浄くす
是諸仏教 是がもろもろの仏の教えなり
と表されます。

日本語では
 ありとある悪を作さず
 ありとある善きことは身をもって行い
 おのれのこころをきよめん
 これ諸仏のみ教えなり
と表します。

 
 瞑想の体験の無い多くの人は、これを勧善懲悪の教えと捉えますが、瞑想者は少し違って受け取ります。例えば道元禅師です。

 瞑想によって、己の心を清めると、自然と悪いことはできなくなる、と道元は言っています。

 瞑想により己の心を清めるとは、「生きたい」と願うのも「死にたい」と願うのも、「渇愛」であり、「生きているのではなく、生かされている」と実感し、一瞬一瞬心に刻みながら日常を生きることだと思います。
 
 スワミ・サッチダーナンダ著 1989 インテグラル・ヨーガ めるくまーる刊 を読み始めました。

 「寛容」もまた、生かされているという実感から生まれるのだと思っています。