小学生から分数について質問を受けました。
分数の足し算の問題がありました。
1/2+1/3=
という問題です。
これを考えるのに
テーブルの上に果物かごが2つあります。
一つのかごには、リンゴが2つあって、そのうち1つが王林です。
もう一つのかごにもリンゴが3つあって、そのうち1つが王林です。
テーブルの上にかご二つだと場所をとるので、一つのかごにまとめました。
かごの中には、リンゴが全部で5つあって、そのうち王林は2つです。
だから 1/2+1/3= 2/5 とするのは間違いですか?
という質問です。
普通、学校の授業では、<通分>して 1/2+1/3=3/6+2/6=5/6
としますが、
この質問をした小学生に分かるように、分数の足し算を説明できますか?
私はこの歳になるまで、分数がわかったつもりでいました。
でも、計算の仕方をまる覚えしただけであって、分数が何を表しているかを理解していたわけではありませんでした。
分数には、「割合分数」と「量としての分数」がある。
遠山啓著 1972 数学の学び方・教え方 岩波新書
にはそう説明してありました。
「 < 1/2+1/3=2/5 > だとどうして間違いなの?」
と立ち止まり考えるような子供は、学校では、
ものわかりの悪い子、要領の得ない子とされるのでしょうか?
分数のことを考えていて、昔流行った算数クイズを思い出しました。
以下のような問題です。
あるとき学生3人が、民宿に泊まりました。宿代は一人1万円でした。
部屋係の人が、先に宿代をいただき、宿のおかみさんの所へ持って行ったところ、学生さんだから、5000円値引きしてあげますといいました。部屋係の人は学生さんの所に戻って、そのことを告げると、3人で5000円を分けるのは半端だからといって、2000円を部屋係の人にチップとして渡し、1000円ずつ返してもらいました。
さて、結局学生さんは、1000円値引きしてもらったので、一人当たり9000円払ったことになります。3人で、9000円×3=27000円 これに部屋係の人がチップとしてもらった2000円を足すと、2700+2000=2900円 あれ、あと1000円はどこへ行ったのでしょう?
かねがね思っていることですが、
高校生の頃に、現下の一部の能力だけで、その人の適性を、理系、文系とか、文科系、体育系とかに決めつけて分けてしまうような教育システムは、その子の持つ明日の能力を眠らせたままのように思います。