ときどきは はだしで歩いてみよう

戦争を体験した人に聞いた話だが、軍隊では服や靴を支給される。
一応サイズはあるが、ぴったしとは限らない。
「大きすぎても、小さすぎても文句は言えず、足に靴を合わせるのではなく、靴に足を合わせるのだ」と言っていた。小さすぎる靴を履き続けていると、指が変形する。
 
靴のサイズが合わなくて、指が変形するのは、軍隊に限ったことではない。
接骨院に訪れる人の中で、ある年代の女性に、外反母趾が多く見られる。
外反母趾の原因として、遺伝説もあるが、先の尖がった窮屈な靴を履き続けたりするとなりやすい。
 
人間を足に例えると、家庭や、学校や、会社や国家は、靴のようなものだ。
足が靴に応じて、変形していく。
 
一旦変形してしまうと、それが当たり前になったりする。
新しい靴を買うとき、ゆったりしたものに変えたりすればいいのだが
自覚がないと、その変形した足にあわせて、靴を選んでしまったりする
 
「お父さんみたいな人とは結婚しない」と言っていた女性が、
いざ結婚してみると、<お父さんみたいな人>だったりする
 
他の人から、変形を指摘されても、直ぐに変形は戻らないし、
本人が不都合を感じていなければ、靴を変える気にもならない
それに元々、正常な形というものがあるわけでもない
 
靴ならば、滅多に共有はしないが
家、学校、会社、国家などは、共同の場であって、そこは靴と違ったりする
 
時々は、はだしになって、歩いてみること、自分の足をよく見つめること