一切は「こと」 虹の如し

ついうかうか暮らしていると
この世界が、ばらばらな、「物」で出来ている世界に見えてしまう
 
ただ、偶然にこの世に生を受け
しがらみの中で、私は日々年老いて生き
やがて去っていくだけ、と思ってしまう
 
そんなときは、立ち止まり、世界を見つめなおす
「物」が「物」でなくなって、「こと」になる
 
「花」も「こと」、「美」も「こと」、「優しさ」も「こと」
「生きる意味」や「生き甲斐」も「こと」
 
「こと」が「こと」をおこし、「こと」と「こと」が「こと」をおこす
虹の如く
 
「私」という「こと」が、「椿」という「こと」をみている「こと」が
とても不思議に思えてくる
「私」と「椿」ではなくなって、<こと・私・椿・こと>になる 表現不能

「こととしての私」には、誰が、何が、何の為に
「わたしということ」を起こしているのかわからない
認識も「こと」、表現も「こと」
 
諸行無常 一切不可思議
 
ああ甘く不思議な香りだ ああ不思議な光だ
ていねいに、ていねいに 味わうことにしよう
ていねいに、ていねいに 浴びることにしよう