かまやつひろしの歌に「どうにかなるさ」という曲があります。
歌いだしは、
<今夜の夜汽車で 旅立つ俺だよ
<あてなどないけど どうにかなるさ
<あり金はたいて 切符を買ったよ
<これからどうしよう どうにかなるさ
この曲は、1970年4月に発表されました。
(作詞:山上路夫 作曲:かまやつひろし)
「どうにかなるさ」という言葉で、切迫感が薄らいでいますが、
もっと切迫感を感じながら読んだのが、同じ1970年に発行された
茅辺かのう著「階級を選びなおす」文芸春秋刊です。
一浪して大学に入学したものの、半年もしないうちに
大学をやめると親に宣言するために帰郷し、
父親に殴られ、そのまま家出しました。
仕送りはストップ。
1970年と言えば、高度成長期で、その中での「自己否定」
当時
新聞配達所なら、その日からでも寝泊りと食事が提供されました。
何もかも捨てて、見ず知らずの土地へ行きたい、という思いでした。
私が家を出たのは、1973年だったと思います。
それから40年経って、再び「階級を選びなおす」を読んでいます。
それともう一冊、那須耕介著 「ある女性の生き方 茅辺かのうをめぐって」を同時に読んでいます。
同書によると、茅辺かのうさん(井上美奈子さん)は、2007年3月に、83歳で亡くなられています。
実在の茅辺さんはこの世にもういなくとも、私の中では、これから生きて、対話することになるでしょう。
さて、この時代、これからどう生きようか、と。
あなたは、ひととひとのあいだが ちかくなるように いきたのですね、と。