機能語の弱形 ヴィゴツキー 最近接領域

 中学校と高校で英語を習ったけれど、実際に外国人と話してみると、相手のいうことが聞き取れないし、学校で習ったように喋っても伝わらない、そういう思いを重ねているうちに、自信を無くしてしまった人も多いのではないでしょうか?
 
 特に、「ゼアイズアペンオンザテーブル」とカタカナで読み仮名をつけて学んだ世代は、そうだと思います。
 
 例えば「Water」<ウォーター>といっても、なかなか通じなかったりします。
 
 学校で習った英語と実際の英会話は違う、と感じても、じゃあどこがどう違うのか、どうすれば英会話ができるのか、今から40数年前、紀伊半島の田舎で暮らす私には、答えてくれる人がいませんでした。もちろんインターネットもありません。
 
 せいぜい、英会話のカセットテープを購入して繰り返す聞くか、NHKラジオ放送の基礎英語の講座に耳を傾けるか、でしたが、カセットテープは高価でしたし、基礎英語にしても、疑問には答えてくれませんでした。
   
 あれから、40数年。通信制の大学で再び英語の単位を取ることになり、初めて「PHONICSファニクス(フォニックス)」を知り、そして今年になって「機能語の弱形」を知りました。
 
 知ってみて、小学生用の英語辞書を開いてみると、ANDにしてみてもFORにしてみても、見出しのすぐ後ろに、発音の弱形・強形が書かれているではありませんか。
 
 私の記憶の間違いでなければ、中学校の英語の先生も、高校の英語の先生も、「PHONICS」も「機能語の弱形」も教えてくれなかったように思います。(授業で語るにはあまりにも基礎的な事項だったのでしょうかねえ。)
 
 大学の授業を通して、「ヴィゴツキーの最近接領域」という概念を知りました。
 
 私は、大人になってから固定化される傾向のある私達の様々な能力差は、幼いうちとか生まれながらにして固定化されているとは思っていません。
 
誰もが、様々な可能性を秘めていると思います。
 
 ただ、その人の現在の最近接領域への適切な働きかけが大切と思います。
 
 また、「臨界期」というものもあるのかもしれませんが、一般に思われている以上にその幅は広く、柔軟性があるように思っています。
 
 その幅の広さと柔軟性を、これから我が身を以て、感じ、示してみようと思っています。