テルーの歌

喉の奥まで溢れるようにでてきた言葉達を
出さずに、胸の中にしまいこむ
そんな言葉達を、人はそれぞれ一杯持っていることだろう
 
そういう言葉達を、しばらく胸の奥底に沈殿させておくと
そんな中から、淡い泡のような上澄み液の言葉が
ぽつぽつと生まれる
 
洗われた言葉は
元の姿とは、ちっとも似ていないが
たった数分の歌の中に
長い長い醸造の時が流れている
 
 
今の私にとって、歌とはそんなものだ
 
先日、ゲド戦記を観にいってきた
「不死は生を失うことだ…
 死を拒絶することは生を拒絶する事なのだぞ」
「この世に永遠に行き続けるものなどありはしないのだ。
 自分がいつか死ぬ事を知っているということは、
 我々が天から授かった
 素晴らしい贈り物なのだよ」
 
 テルーの歌を、レパートリーに入れようと、練習している