アウトサイダー

今から30年以上も前、二十歳になる前に、ある人から勧められ、
コリン・ウィルソンの「アウトサイダー
ヘルマン・ヘッセの「荒野の狼」を読んだ。
 
20歳代の頃に読み返したが、
コリン・ウィルソンのその後の著作には興味がわかなかったし
ヘッセに関しては、それがきっかけで、臨床心理学に興味を持った
本を読むことよりも、自らリュックを背負い、旅に出て
アウトサイダーとして生きることを望んだ
 
20歳代の頃は、アウトサイダーは「選らばれし少数」という感じがしたが
今となっては、皆が、自分の事をアウトサイダーと思っているのではないか
と思っている
 
コリンウィルソンが書いたのかヘッセが書いたのか、あるいは自分が作文したのか
アウトサイダーとは、境界の外側にいる人間のことではなく、外側と内側の両方に生きている人間」と思っている。
そう定義すると
 
認知主義とか、社会的構築主義、社会的構成主義が、
あるいは単なる価値観の多様性が一般的な思想になった今
皆が、家庭で、学校で、職場で、サークルで、何らかの組織の中で、地域で
自分の事を、アウトサイダーと思っているのではなかろうか
 
個性重視とか、自己実現という言葉の中で育ってきた人は
自分のことをアウトサイダーと思っているのではなかろうか
 
イデオロギーなど難しいことを持ち出さなくても
例えば、何らかの持病を抱えていたり、ガンを告知されたりした人は
自分の事を、アウトサイダーと思っているのではなかろうか