やすんじて親しむ

人はなぜ、セックスに執着するのか
簡単に言ってしまえば、気持ちいいからだろう
          
違う言葉で表現すると、
自分が自分でなくなり、それでいてまた自分として甦る
そんな命の循環を感じられる営みであるからだろう
          
セックスという営みが、誰にとっても毎回そうなるかといえば、
そんなことはない
         
露地に花を咲かせるような営みだろう
土を肥やし、種を蒔き、水をやり、陽が当たり、
風が吹き、虫たちがやってきて、
花が咲く
           
切花には、切花の美しさ、楽しみがある
たいてい華やかではあるが、路地よりも早く枯れる

残念ながら、日本では、露地栽培の仕方を教えてくれない
独学するしかない
若者宿があった時代はともかく、
今なら、たいていの夫婦は、独学者同士ということだろう
              
安(やす)んじて信じるという意味で「安信」という言葉を造語したが
安んじて親しむという意味で「安親」という言葉も造語したい
           
日本の夫婦は忙しいから、どうしても促成栽培になりがちかな