一体感にこだわる

<一体感って何?>
 一体感という言葉は、日常でよく使われる。しかし、今一度、一体感を定義しようとしてみると、簡単でない。これは、一体感という言葉だけに限らない。愛、とか、自由とかいう言葉にも当てはまる。
 今一度、ゆっくり、自分にとって一体感とはどういうことをいうのか考えてみよう。言葉で表してみよう。
 
<一体感ってどういうこと?>
 貴方は、どんな時に、「ああ一体だ」と感じますか?
 多くの場合、一人の人間に対してとか、その場にいる人々とかですね。
 読んでいる雑誌に対して一体感を感じるとか、朝見る鏡に感じるとかは無いですね。
 でも、同じ「物」でも、自分が使っている道具にならありますね。
 道具は小さいものとは限りません。自動車とか船に感じるときもあります。
 
 私にとっての一体感とは
 馴染んでいること、違和感が無いこと、調和感があることです
 一心同体という言葉がありますが、私にとっては
 一体感と、同体感は違います。
 一体でないから、一体感を感じます。
 
<一体感はどこで感じるの?>
 赤いとか青いとかは、主に視覚で感じます。熱い、冷たい、ざらざらしているとかは、皮膚で感じます。
 一体感は、個別の感覚器官ではなく、それらの感覚情報から総合したものから生まれます。
 更にいえば、原初的な感覚だけでなく、精神的な内容が要素になる時もあります。
 
そもそも、感じるということは、差異を感じることです
ということは、一体でないから、一体感を感じるといってもいいですね
自分で自分のからだを抱きしめるよりは、彼、彼女のからだを抱きしめるほうが一体感を感じるのではないでしょうか。
歯の治療で、歯茎に麻酔注射を売ったことがあります。
口腔は、私のからだの一部で、一体でありながら、違和感を感じました。
 
<一体感とセックス>
 一体感を感じる例によく引き合いに出されるのが、セックスだと思います。
 しかし、一体感は、セックスの専売特許ではありません
 一体感の無いセックスもあれば、セックス以外でも一体感は感じられます。
 どうしたら、一体感を感じられるかの、ヒントは、セックスの中にたくさんありそうです
 
<一体感 独りよがりは駄目、裸になる、テクニックはあったほうがいい>
 乱暴は駄目です 丁寧に触れて 感覚を鋭敏にして、フィードバックすることが大切です
 
 自転車に一体感を感じることは、自転車に乗れる人なら、最初感じたでしょう
 同じく、自動車も、車種や大きさを変えると、しばらく違和感があって
 その後一体感を感じます。そして、たいていは忘れてしまいます。
 私は、漁師をしていた頃、船に対して感じたことがあります。
 ジャンボジェットの操縦士さんは、ジャンボジェットに一体感を感じられるのでしょうね
  
 となると、住んでいる地域とか、大地、更には海や川、宇宙に一体感を感じる為には
 同じような過程が必要なように思います。
  
 余計な力を抜き、丁寧に触れ、思い込みをはずして、フィードバックすること
  
<ものとこと 一体感はこと>
 犯罪とか戦争が渦巻く人間社会や、台風などの自然災害とか伝染病とか広がる自然界に、どうすれば一体感を感じられるでしょう?
 
 やっぱり同じような過程でしょう
 丁寧に観て、触れて、自分のありようを変えること
 
 今現に起こっていることは、例え、それが戦争や犯罪でも、起っている事として、諦め、観念するしかありません
 「あの時、ああすればよかった」なんていっても後の祭り、今起こっていることは変わりません
 
 「こうなって欲しいなあ」と思っても、思うだけで思い通りになるなることは少ないですし、事を起こす要因は、ひとつやふたつではありません。
 
 やっぱり、観念することでしょうね
 
 それに、一体感と幸福感は同じではありません
 
私を「物」と思っていると、一体感は無いでしょう
虹が「物」ではなく、「こと」であるように
私も「こと」です
世界が、私という現象を起こしているのです
ですから、元々、世界と私は一体 
 
一体感も「もの」ではなく「こと」
結果ではなく、プロセス
ということは、起こし続けていないと、消えていきます
 
 差異を感じているから、一体感も感じられるのですね