中動態の恋

遠く離れて暮らしていても
示し合わせた訳でもないのに
朝寝坊するのも同じ
コーヒーを飲むのも同じころ
言おうとしたことが、メールで届く
肌と肌が触れたのは 手のひらだけなのに
一緒に肌が火照る
遠く離れていても こんな世界があるなんて知らなかった
リラックスした全力投球
いつまでもつづくラリー
大宇宙が観ている無限の夢のひとつがあなた
大宇宙が観ている無数の夢のひとつがわたし
ふたりは抱きあって 一本の樹になり 根を張り風にそよぐ
あのひのぬくもり いまこのときのぬくもり
これからのぬくもりが みんないまここにある
2022,6 一本の樹 中動態の恋 詩・阪口圭一
 
英語では、I endure sexual desire.を能動態といいます。
I was moved by sexual desire. だと、受動態です。
元々、日本語の文化は、能動態でも、受動態でもなかったと思います。
だから、夏目漱石は I love you.を 
月がとってもきれいです、と訳したのだと思います。
猫のクローズアップのようです
 
 
 
 
 

一本の樹 その2

夜中に 目が覚めた
あなたを想い 気持ちが昂って
眠れない 眠れない 眠れない
あなたと歌った歌を 心の中でうたう mu~mu~mu~
少しだけ 眠気がやってきたけど やっぱり眠れない
あなたも 同じ夜を過ごしているのかな
だったら そばにいて あなたを包みたい
あなたよ あなたに 求めすぎていませんか
あなたよ わたしは 急ぎ過ぎていませんか
自分のことでありながら 初めてのことばかりで
戸惑っています
窓の外が明るくなったころ やっと眠れた
朝、あなたの声が届いた
「朝寝坊したのよ。 夕べ眠れなくて 朝寝坊したのよ。」
朝の光の中で 抱きあって立っている一本の樹
あなたとわたし
2022.6 一本の樹 その2 詩・阪口圭一
山、空、テキストの画像のようです
 
 
 

一本の樹 それは抱きあって立つふたりの姿

あのひとは 駅で 待っている
数分前 メールが届いた 「改札口に、今、います。」
あと十数分で 列車は 駅に着く  逢・え・る
高鳴る胸の鼓動 うれしい うれしい うれしい
喜びの時 だけど 同時に
今まで 味わったことのない 胸の苦しみ
喜びに震えながら 早く早く喜びの時間が 過ぎますように
日常生活の中では 十数分なんていうのは
知らぬ間に 過ぎていく時間 1時間、2時間だって
瞬く間に 過ぎ去ることがある
なのに 一分間が過ぎるのが 苦しい
はやく はやく はやく はやく
ここ数時間 ここ数十分 そうやって 時間を
確かめ 確かめながら 来た
はやくはやく はやく 過ぎていきますように
列車は駅に着き 私は列車を降りる
急がずに 一歩一歩 確かめつつ 歩く
改札口のむこうに あのひとは いる
流れる人の向こうに 人の流れの向こうに
あのひとの すがたがみえる
一歩一歩 近づき 抱きしめた
抱きあって 私たちは 風にそよぐ 一本の樹になった
2022.6 一本の樹 詩・阪口圭一
猫、室内、テキストの画像のようです
 
 
 
 
ばば やすえ
 

長距離恋愛の心得

釈尊の基本的世界観は、五蘊(色受想行識)皆空です。
 色=物質的現象は、同じであっても、それをどう感じ取り、認識するか(受想行識)は、各自のからだ・教育・創造性によって、内容が違ってきます。各自にとっての世界は、各自が作り出しているバーチャル世界です。止観瞑想者は、古来より、それを自覚していました。柔らかく表現すると、「この世は夢よ、素敵な夢をみよ」「この世に、作り付けの意味はない。意味が無いから、創るのだ」
 この世は、自分が作り出しているバーチャル世界と自覚する瞑想的カップルは、遠く離れていても、そこに愛の世界を創造することができます。もちろん無から、有は生まれないので、逢える時には、逢うのですけどね。一瞬の触れ合いの後、それを永遠へと、創造していくのです。
猫、本、テキストの画像のようです
 
 
 

みつぐの意味

漢字の「みつぐ・貢」と、古語の「見継ぐ」は、同じ「みつぐ」であっても、全然違います。漢字の方は、金品をおくること。古語の方は、「想い」を寄せ続けること。
 大事に「みつがれて」育ったからといって、誰かをみつぐ力を備えるとは限りません。みつがれて、それが当たり前、という人に育つこともあります。また、貢ぐと見継ぐを、混同してしまい、見継ぐことまで、否定することがあります。わたしの知っている女性運動論者には、そんな傾向がありました。
 三味線に触れていると、日本語の古語も気になります。
 古語の「見る」は、愛しむこと。
猫、本、、「もと子先生の恋人 田中ユタカ ボクは愛しています。 あなたの事も、 あなたの作品の事も。」というテキストのアニメ風の画像のようです
 
 

意味論、構文論、語用論と人間の苦

私達が味わう苦しみと、言語は、深い関りがあるのに、学校では、ほとんど、教えてくれない。それで「言語学」を、独学。しかし、大抵の本は、難しいコトバで、いっぱい。
 意味論?構文論?語用論? 何、それ?
意味論:「自己疎外って何?」『心、今ここにあらず、という生き方のことかな』(言葉とその意味のつながり考えること。)
構文論:「私に、空腹だ」「それ、おかしいよ」『それが、おかしくないんだよ。サンスクリット語、中動態、社会モデル、複雑系なら、そういう表現になるよ』
語用論:「おはようございます。どちらへお出かけ?」『ちょっとそこまで』「いってらっしゃい(ちょっとそこまでって何処?とは、問わない)」...
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猫、本の画像のようです