ビパッサナ瞑想 シャマタ(止)

 瞑想とは、神秘的な体験ではありません。今ここに目覚め、自分自身に気づくことが瞑想です。
 とりわけビパッサナ瞑想は、呼吸を見つめる瞑想です。
 
1)自分自身の呼吸を観察します。
当たり前の話ですが、呼吸は、吐く息と吸う息の繰り返しです。
吸うだけ、吐くだけでは、人は生きていけません。
人間だけでなく、宇宙のすべての営みが、陰と陽の調和で成り立っていることに気が付ききます。
 
2)呼吸を観察します
呼吸は、今現に、まちがいなく起こっていることです。
呼吸を観察し続けていると、心が今ここに定まります。
苦しみの感情は、時間と関係しています。
後悔は、心が今ここではなく過去に向かうことによって、生まれます。
心配不安は、心が今ここにではなく、未来に向かうことによって生まれます。
呼吸を観察し続けていると、後悔や不安といった感情が消えていきます。
 
3)呼吸を観察します
生きているとは、息をすることです。
長く(深く)息をすることは、長生きに通じます。
胸式、腹式、逆腹式と分けることよりも、
全身をリラックスさせ、全身を使っての呼吸が健康を増進させます。
 
4)呼吸を観察します
呼吸を見つめるビパッサナ瞑想は、道具や場所を選びません。
いつでも何処でも、誰にでも出来ます。
歩きながら出来ます。仕事をしながら出来ます。
緊張すると、知らず知らず息を詰めていることが多いです。
今あなたの息は、どうですか?
 
5)呼吸を観察します
呼吸もまた、筋肉による運動です。
筋肉をリラックスさせると、呼吸が深くなります。
呼吸が深くなると、心がリラックスします。
調身、調息、調心は三位一体です。
 
6)呼吸を観察します
呼吸を観続けていると、固有覚が敏感になります。
同時に、聴覚や視覚触覚、全ての感覚が鋭く、敏感に、豊かになっています。
芸術活動や仕事の技量が、アップします。
 
7)呼吸を観察します
呼吸を観察し続けていると、筋肉の緊張に気づいたりします。
筋肉の緊張が、過去の記憶と結びつくことがあります。
筋肉の緊張をほぐしていくと、過去の記憶のしこりがほぐれたりします。
 
8)呼吸を観察します
色んな呼吸法が世の中にはあります。
あれこれ努力するよりも、努力を棚上げした時のほうが、呼吸が深くなったりします。
もちろん、あるはっきりした目的のために、特殊な努力をする呼吸法もあります。
 
9)呼吸を観察します
絶えず、空気が肺に送られます。空気は、人間が造ったものではありません。
呼吸を観続けていると、私達は生かされて生きているという自覚が生まれます。
 
10)呼吸を観察します
座禅であれ、横たわっているにしろ、常にからだは動いています。変化しています。胸やお腹が膨らんだり、縮まったりしています。心臓が動いています。血液やリンパが流れ続けています。生きるということは、動き続けること、変化し続けることです。
 血液やリンパの流れが滞ると、そこに褥瘡が生まれます。