質とは

 「質」ということばが、ふと気になりました。大きさ、重さといった数値で表す「量」に対して、数値にはあらわせない「質」。
 本質、性質、質感、質素、素質、質的研究、よく使われていることばだけど、あらためて考えるととらえ難い質。

 漢字の成り立ちを調べると、「斤」は斧に由来する重さの単位。今も、パンを一斤といったりします。「斤斤」と並べると、左右が釣り合っていること。貝は、タカラガイが通貨として使われたことから、財貨や価値あるものを表します。 数値には表せないといいつつ、なんか、物質的な印象に近くなりますね。

 あらためて、質の意味を考えてみると、数値で表せないだけに、ヒトによって求める「質」は、違います。求めるものがそこにあれば、「これは質がいい」と求める人はいいます。

 目標によって、要求内容によって、評価が違ってくるということですね。
 これって、文脈主義というかプラグマティズムなのかな。
 
 そこでもう一度、漢字を見なおしてみると、備わっている特性と、要求内容が釣り合うことを「質」という・・・・。
 質という漢字を作った人は、やはりすごいですね。