からだのわたし

 年に3回くらい、歯茎に埋もれた「親知らず」が疼きだし、夜も眠れなくなります。鎮痛剤を飲みます。痛みが続くと、「私のからだ」というより、「おからだ様の私」という感覚になります。私は望みもしないのに、こんなに痛むのも生きんがためでしょう。鎮痛剤を飲みながら、「おからだ様」におまかせします。かつての臨死体験のような体験の時もそうでした。私は諦めたのに、おからだ様は生きました。
 痛みの中、天使たちが春を連れてきました。早い山桜は咲いています。蛙が鳴いています。