ちうくらいなりわが人生

 学校で出される試験問題には、必ず唯一の正解がありました。生徒である私たちは、時間内にその正解を解答用紙に書かねばなりませんでした。そんな暮らしを十数年も続けていると、問いかけ、課題には、必ず唯一の正解・悟りがあるという条件反射付けが生まれたように思います。それで、時間内に正解を見つけないと落ち着かない、すっきりしない。
 学校を卒業してからも、問いかけ、課題が次々やってきます。例えば、「人が人を愛するとはどういうことか?」「人が死ぬとはどういうことか?」 唯一の正解があると思っていると、なんか落ち着きません。正解を巡って、争いが生まれたりします。
といって、禅僧がいうところの「問いかけをやめる」ことがまた唯一の正解ではないように思います。
宙ぶらりんの人生。振り子の人生。