書を捨てず 旅に出よう

こころとからだ 学びの相談室 図書館
3月6日 木曜 晴れ 午前7時半より開館中
 学校で「三角形の内角の和は180度」と習いました。高校生の頃まで、これはゆるぎない「真理」だと思ってきました。でも、数学以外の本から、三角形の内角の和は180度とは限らないことを知りました。今は小学生だって、地球は丸いといいます。つまり、わたし達は、どこまでも同じ水平面である世界に暮らしているのではなく、曲がった面の世界に暮らしています。曲がった面の上では、三角形の内角の和は、その曲がり具合によって180度以上の時もあれば、以下の時もあります。そして、小さな私たちは、世界がどのように曲がっているのか、全体を見ることができません。わたしがいる場所の曲がり具合と隣にいる人の場所の曲がり具合は、おそらく同じではないのだと思います。だから、ものごとの見方、感じ方が違ってくるのでしょう。さらに観察の仕方、関与の仕方でも、曲がり方が違ってくるでしょう。
 「三角形の内角の和は180度」というのは、絶対的な真理ではなく、私たちが仮想した数学という世界の中の話です。
 学生の頃、私にとって数学は受験のための数学でした。今は、考え事を整理するための数学です。
 「性善説」「性悪説」ということがありますが、どちらも真理ではなく、そのひとのいるゆがんだ空間では、人間がそのように見えているのだと思います。ですから、旅に出て、世界に色んな歪みがあることを味わうことが大切と思っています。

 知られざる宇宙。知られざる自然。知られざる生命。知られざる私達。知られざる全体。知られざる神。