先住民族文化に学ぶ 安らかで豊かな老いと死の迎え方

自然心理学講座資料「先住民族文化に学ぶ 安らかで豊かな老いと死の迎え方」
             日時2013年12月22日 日曜 午後2時〜4時  場所 熊野健康接骨院

 近代科学技術の発展により、長寿社会が達成され、日本人の平均寿命は、男女とも80歳を越えました。しかしそのことが、安らかで豊かな老いと死に繋がっているとは言い切れません。
国民年金を20歳から40年間かけ続け、65歳から支給されるのは月額約6万5千円。特別養護老人ホームの個室だと月額7万円、介護付き老人ホームでは、約15万円は必要と言われます。
   (でもこれは若い人々、裕福な人々にはあまりピンと来ない話かもしれませんね。)
仏教は「一切皆苦(一切は自分の思うようにはならない)」と述べていますが、エーリッヒ・フロムが、「仏教の四諦の中で、一番難しいのは苦諦(苦の自覚)だ」と述べているそうです。
(固まった常識と苦と狂気の自覚)
 「我思うゆえに我あり」と述べた17世紀のデカルト以来、私達は「この肉体が私であり、世界から独立して存在する。世界(自然)は、人間によって征服利用されるべきもの」ということを常識としてきました。「個人と個人、個人と自然は対立せざるを得ない。どのような老いと死を迎えるかは、その人の能力次第で自己責任。」ということを、生活の前提としてきました。

いつの時代であっても、私達人間は一人では生きていけない相互関係的な存在です。社会全体が狂気である時、自分自身の狂気に気付くことは難しいです。

チャップリンは、映画殺人狂時代の中で、<1人殺せば悪党で、100万人殺せば英雄になる。One murder makes a villain. Millions a hero.>と述べました。
近代科学技術や資本主義は、自然や同胞、そして自分自身をも欲望達成のための手段としてしまい,「心ここにあらず」ということもしばしばです。(大量生産大量消費の中の疎外感・空虚感)

私が子どもの頃、里山に蕨摘みに出かけ、喉が渇けば小川の水をすくって飲みました。今その場所は、産業廃土の捨て場になっています。もっと奥深い山の水であっても、今では飲むことは躊躇されます。
乳児を含む子どもが、甲状腺がんになる確率は通常、数十万人に1人とされてきました。福島の原発事故以後、福島では21万人の子どもの検査が終わった時点で、甲状腺がんと診断された子どもは18人となりました。がんの疑いがある子どもは、25人と報告されました。
私達は今後、どのような老いと死を迎えることになるのでしょう。
(どのような状況の中であっても、全世界を故郷とする)
現代人が抱えている諸問題は、現代人の常識の枠内では解決されないように思います。デカルト以来約400年続いてきた近代科学の客観合理性の時代、要素還元論の時代に別れを告げ、心身をやわらかくし、先住民族文化の「心のある道」「根を持ち、翼をもつこと」「全世界をふるさととすること」を学びあいたいと思います。
テキストは、真木悠介著『気流の鳴る音』筑摩書房 1977年刊行 カルロス・カスタネダ著『呪師に成る イクストランへの旅』二見書房1974年刊行、他にホ・オポノポノ関連の書籍を主に使います。講座の後は、茶話会をいたします。
年末の忙しい時期ですが、お茶と語りを味わい楽しみましょう。
649‐5302 那智勝浦町市野々3987 熊野健康接骨院 阪口圭一 
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