初心俳句会 人生讃歌

 王学仲著「山水画入門」岩波書店の中に
 
<「線を以て造形し、形を以て神を伝う(以線造形、以形伝神)」の語があります。ともかくも、線によって形を描かなくては山水画は始まりません。>とあります。
 
ともかくも、俳句にしても17文字という線によって形を描かなくては、俳句は始まりません。
 
< 生を写すを以て、意を写すに至る
「生を写す」とは、対象のありのままを写しだすことを意味します。また「意を写す」とは、対象に向けられた作者の心を写しだすことです。>
 
<写生は対象をよく観察し、より厳密に、より正確になされなくてはなりません。その厳密かつ正確を観察する目を育て、それを筆意として写し出すことが、まず初めに要求されるものです。しかし、画仙紙を用いて線によって表現する山水画では、次にこれを心によって咀嚼した過程を経て写しだすことが要求されるのです。(48頁)>
 
 芭蕉は「格に入りて格を出でざる時は狭く、また、格に入らざる時は邪路にはしる。格に入り、格を出でてはじめて、自在を得べし。」といいました。
 
また「古人の跡をもとめず、古人の求めたる所をもとめよ。」とも言いました。
 
私の今のところの人生讃歌の句 (西東三鬼様へ)
 
「桃をむく中年太りの君素敵」
「ヒグラシに目覚め一会の旅支度」