ある星の話
天地創造を終わった神様は、とてもとても深い寂しさに襲われました。
一体この創造の力と「ことば」は、どこから授かったのだろう。神様にもわかりませんでした。
そこで、自分と対話できる相手に育つようにと、人間を創造しました。一人一人のからだの中に、他の被造物と同じように、自身の心と創造の歴史を、そして更に「ことば」を織り込みました。
深い寂しさから神様が作った人間は、やはり寂しい人間になりました。
人間は思いました。一体この創造の力と「ことば」はどこから授かったのだろう。
人間もまた対話の相手を見つけようとしました。
神様が自分のからだから人間を生み出したように、人間も自分のからだから人間を生み出しました。
深い寂しさから人間が生んだ人間は、またまたやはり寂しい人間になりました。
ある夜に、人間は自分の乳房を幼い人間にふくませました。
自分をみつめる小さな瞳の奥に、夜空いっぱいの星の光が注いでいるのを見つけました。