一切皆苦

一切皆苦」という言葉を知っておりながら、その一方で
「苦あれば楽あり、楽あれば苦あり」と思ってしまったりする
そして、苦しみの解消を願ったりしてしまう
 
 生活収入も安定していて、心身健康であり
生きがいある仕事もしていて
 心通いあう人々、友人もたくさんいて
 性格もよくて
 地位も名誉もある
 そんな人を見ていると
 そんな人には苦しみがないと勘違いしてしまう
 
 そういう人は確かに、どうでもいいようなことで苦しんではいない
 同時に、人格が大きく広がれば広がるほど 
 大いなる苦しみを苦しんでいる
 
 彼らは、大いなる苦しみと向き合い
 その生滅を解き明かし 態度を決している
 つまり、苦しみと向き合い、「解決」している
 
 苦しみの解消を望めば、かえって苦しみは消え去らない
 
 一切皆苦
 苦しみと向き合い 解き 態度を決めるのみ