地震の前兆

数々の緻密なノンフィクション小説(記録小説)を書いた、日本芸術院会員の小説家、吉村昭氏の作品の中に、記録文学の傑作といわれる「三陸海岸津波文芸春秋刊、という作品があります。

明治29年地震津波の前兆として、その年例年になく不漁であったのが、地震の起きた6月には、著しい漁獲高となった、と書かれています。
前例を見ない大漁となったのが、マグロであり、鰯であり、鰻です。鰯に関しては、その40年前の安政3年以来のことで、その安政3年には、北海道南東部で地震が起こり、三陸海岸津波が押し寄せたとあります。

 私は那智勝浦町接骨院を営んでいて、漁業関係者の方も訪れます。
 今回の地震の後、仕事が忙しくなったことを聞いていました。それは、気仙沼港が使えない為、勝浦漁港へ入港する船が増えた為、と思っていたのですが、単にそうではなく、今、キハダマグロが大量に獲れているそうです。一隻当たりの漁獲高が、普段の数倍から十倍はあるそうなのです。
 
 これが、何らかの前兆なのか、あるいは今回の地震の後の影響なのか、素人の私には分かりません。ただ、紀伊半島沖で、例年になくキハダマグロが大量に獲れているという話は事実です。
 
 前兆でないことを祈っていますが、いずれにせよ吉村氏のように、後世に記録として残しておくのは大事なのではと思っています。
 
ハーネシング

 いつも、キーボードをたたいていて、爪がのびたことを感じます。
 「私の手の指の爪」と何気なく表現しますが、
このときの「の」は何を意味しているのでしょう?
 私の所有する、私に属するという意味でしょうか?
 私は、私のからだを所有しているのでしょうか?
所有し、思うように操っているのでしょうか?
私の意志や意図とは関係なく爪は伸びます。
確かに痒いところがあれば手を伸ばし掻きます。爪を爪切りで切ります。
しかし、私の血糖値の調整は、私の意志が行っているのではなく、からだがやってくれています。

ハーネシングという言葉を最近知りました。
余り知られていない概念だと思います。

筑波大学大学院ビジネス科学研究科
倉橋節也氏のPDFが参考になると思います。

以下引用
複雑系とは
多数の因子または未知の因子が関係してシステム全体の振る舞いが決まる系
それぞれの因子が相互に影響を与えるために,一般的な手法(多変量解析等)でシステムの振る舞いを予測することが不可能な系
代表的な複雑系は、ウイルスの流行状況、天候、経済、大規模交通、バタフライ効果など

複雑システムは,制御できない!
ではどうするのか

複雑システムはControl(制御)するのではなく、
Harness(活かす・馴らす)もの

複雑システムを御す方法
複雑システムの代表格:生体
– 進化の仕組みに「馴らし方」が埋め込まれている
多様性(Variation)
– 少し間違ってコピーする
相互作用(Interaction)
– 別の人に会う
選択(Selection)
– 上手なものを採用する

だそうです。

私は私を制御(control)できない、ハーネシングならできる?