ある身近なひとのこと

正義感の強い人でした
力ある人に対しても 物怖じせず 物申す人でした
物申す友達がたくさんいました
 
大人になって
それがライフスタイルになりました
 
中年に入り
人はそれぞれ自分が掛けている眼鏡に気付いていったのですが
あの人は 自分が掛けている正義の眼鏡を
誰もが掛けているものと疑いませんでした
確かに多くの人が掛けていたからです
 
正義の眼鏡を通して
批判し
「あら」を探し出し 完ぺきを求めました
寛容はすべて 妥協と感じていたようです
 
離れられる人は離れました
離れようにも離れることができない人は
心が離れました
 
でもあの人は 自分の正しさを疑いません
だって 眼鏡を通せば 本当に正しいのですから
 
今からだって遅くないのですが
気づきそうにもありません
 
寂しい人だと思います
でも 自分で気づくしかないのです