臆病の次元

 ここに20歳代後半の若者が二人いるとする。

一人は親と同居し、親のすねをかじりながら、アルバイトをしている。将来のことについて、あまり考えることもなく、少ない収入も貯金するでもなく、自己教育に使うでもなく、自分の遊び、主にゲームソフトにつかってしまう。
友達もなく、アルバイトしている時以外は、ゲームソフトで遊んでいる。

もう一人は、正社員として働いているが、更に仕事とはジャンルの違うスキルを身につけようとしている。人脈を広げようと、色々な会合に出掛けて行ったりする。仕事から帰っても、いつも何か勉強し続けている。

 この二人を見た時、私達はどちらの人のことを臆病な人というだろうか?
 
 私は、臆病にも次元があるように思った。そして私は、どちらも臆病なのだと思う。人間は、基本的に臆病だと思う。なぜなら未来を予測することが出来るから。
 
 基本的に臆病で、臆病に未来を予測した後、更にそれを見続けようとするのか、見ようとしないのかその差があるように思う。
 
 自分の臆病さを見つめてそれに対処しようとする臆病な人と、自分の臆病さを見ようとしないさらに臆病な人がいるように思う。