無無明 無無明尽 何が善で何が悪か?

如何に生きるべきか、何が善で何が悪かに迷った時、
私はよく幕末の時代とその時代を生きた人々のことを思う

少年期には、単純に、坂本竜馬とか高杉晋作に憧れた
何も知らないまま、薩長(倒幕)は善であり、幕府(佐幕)側は悪であった

自分自身の現実世界、現在世界において、
なにが善で何が悪か簡単には言えないような出来事に出くわすにつれ、
幕末の人々への眼差しも違ってきた

何が善で何が悪か、右を選ぶか左を選ぶか、簡単には言えない、選べない
浅田次郎壬生義士伝なんかを読んでいるとそう思う
倒幕側の藩にしても、佐幕側の藩にしても、
藩の中では、一筋縄というわけではなかった
幕府の旗本御家人にしても、
彰義隊に加わる人もいれば、
あっさり武士を捨て川漁師になった人もいる
二宮金次郎小栗上野介、水野忠央、大塩平八郎、湯川げい洞
吉田松陰勝海舟、名もなき下級武士たち、農民たち、
それぞれがそれぞれに生きた
般若心経にいわく、無無明無無明尽