今は釣りは全然しないが、幼い頃は、簡単な道具で、鯵釣りやキス釣りをした。
釣糸のことを、テグスというが、なぜテグスというのか気になっていた。
テグスは、天蚕糸と書く。ヤママユガの糸を出す腺を取り出して、酢の中で急激に伸ばすと1メートルくらいになるそうだ。これをつなぎ合わせて、釣糸にしたそうな。
それまでは、麻糸を使っていたので、画期的な発明だったようだ。
江戸の末期の頃、ある漁師さんが、大阪の薬問屋で、薬を包む紐として使われていたのをみつけたのがきっかけだそうだ。
読んでいないが、宮本常一さんの著作に詳しく書いてあるという。
ヤママユには、別の思い出がある。
家伝で、歯槽膿漏の薬として、民間薬が我が家に伝わっている。
8つの材料を組み合わせるのだが、その材料のひとつが、ヤママユの緑色した繭。
野山に行く回数が減ったせいもあるが、繭を見かけることも少なくなった