よく観て描くということ 左脳と右脳

マウスで手描き

<1.  万物流転 諸行無常 >
 「全てのものごとは、変化して止まない」(と左脳はいう)
 
 自然界   (春夏秋冬・日は昇り日は沈む・種から芽が出るが、花はやがて枯れる)
 人間社会  (栄枯盛衰・戦争と平和・新車もやがて故障したり老朽化) 
 対人関係  (会うは別れのはじめ・永遠の愛を誓ったけれど、いつまでも続くとは限らない)
 からだ   (満腹もやがてお腹が減る・美人もやがて老婆となる・生老病死
 心、考え方 (ダイエットや断酒の決心をしたけれど、、、・喜怒哀楽・近頃の若者は、、、)
 
 左脳は、時間の変化、ものごとの変化を感じ取り、からだや自我が生き延びることを望む
 右脳には、時間がない、今ここをありのままに感じ、今ここが永遠


<2.  左脳は、外の世界や自分自身に働きかけて、生き延びようとする >
「全てのものごとは、変化して止まない、その変化は自分にとって都合がいい変化とは限らない」
左脳は、変化を感じ取り、その変化が自分が生き延びるのに都合がいいか、よくないか判断しようとする
都合のよい変化は更に続くように望み、不快な望ましくない変化に対しては、望ましい変化になるよう働きかける
 
 (朝起きて顔を洗う、食事する、仕事に行く、自然開発と保護、健康体操やエステ、農業、勉強、
  車の運転をする、アクセルを踏む、ブレーキを踏む、メールを送る、等々人間の行為 
  一切)

<3.  判断・予測・動きを止め息を潜める >
ある変化が現れたとき、即座に判断するほうがいい(左脳の働き)
この変化は、自分にとっていい変化かよくない変化か、
やがて自分にとってよくなる変化か、悪くなる変化か、(予測する)
どうすればいい変化に変えられるか、あれこれ考える

敵か獲物か、プラスかマイナスか、過去のデータをもとに判断


<4.  予測の根拠 道徳文化 秩序・法則 偶然・必然 宇宙の計らい>
過去の経験やデータをもとに、法則性を仮定して、判断予測するが、
過去の経験やデータが、今現在の状況に当てはまるとは限らない、
多数決が正しいとは限らない

<5.  予測の根拠 真理と公理 絶対主義と相対主義・社会的構築主義 多数決>
解決の方法を巡って、自分自身で決めかねる(葛藤)
解決の方法を巡って、集団の意見の一致が見られない(喧嘩、利害の不一致、見解の相違)
絶対的な真理があると思っていると、かえって対立を生む
過去の経験やデータを根拠に行動し、上手くいかない場合でも、過去や自分の信じている信念、やり方にこだわったりする

<6.  苦しみ 働きかけが上手くいくとは限らない>

ニーバーの祈り

 神よ、
 変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
 変えることのできないものについては、それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
 そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
 識別する知恵を与えたまえ。
                    ラインホールド・ニーバー(大木英夫 訳)

God, grant me the SERENITY to accept the things I cannot change;
COURAGE to change the things I can;
and WISDOM to know the difference.

Living one day at a time,
Enjoying one moment at a time;
Accepting hardship as the pathway to peace.
Taking, as He did, this sinful world as it is, not as I would have it.
Trusting that He will make all things right if I surrender to His Will;
That I may be reasonably happy in this life, and
supremely happy with Him forever in the next.

Amen

 働きかけがいつも上手くいくとは限らない、効率的、有効な働きかけを選ぶのは案外難しい、
 また、変えようにも変えられない事もある

 そもそもの予測と判断が間違っていたりする
 勇気を持って変えるべき事は、外界だけでなく自分の関わり方(左脳の判断)であることもある
(自転車の乗り始め、倒れまいとして腕に力を入れる、それがかえって身動きを取れなくし、
 倒れやすくなる)
 私達は、ものごとを、ありのままにではなく、見たいように見たりする。
 (あばたもえくぼ、思い込み、偏見、観察の理論負荷性


<7.  左脳と右脳 左脳は分類し批判する 右脳はありのまま全体を捉え受容する>
左脳は、自分と他人、自分と世界を分ける そして、自分が生き延びることを求める
    パターンに当てはめて判断しようとする
    言葉世界 時間は外にある ロンリネス・孤立
右脳は、自分と他人、自分と世界の繋がりを見出す ありのままを受容し、感謝・感動する
      常識からのドロップアウト 時間は内にある アローンネス・孤独

<8.右脳を働かせ、左右のバランスをとる方法 瞑想・太極拳・呼吸法・絵画>
   調身・調息・調心 たった今ここでの、からだの感じ、呼吸、心を、丁寧に感じてみる

   現在社会は、左脳の使いすぎ(情報化社会)、自分や他人や自然を疑い過ぎている
   左脳が働きすぎると、不安が募り、富・権力・知識・集団・自我への異常な執着を生む

   自分自身や他人や自然を信頼し、安心するには、左脳を休ませ、右脳を活性化する

 ( 絵を描くとき、先生は生徒に「よく見て描くように」と指示します。「よく見る」といっても、「それが何であるか、と判断するため」によく見ること(左脳的)と、「見えているものを見えているように描く為」によく見ること(右脳的)とは同じではありません。
 それが何であるかと判断するのは、先ず世界と自分を分離し、「世界は自分を脅かす存在でもある」というものの見方を前提としています。自分を脅かすものであるか、そうでないかを判断するためによく見る、のです。そういう見方をする限り、いくらよく見ても、絵は描けません。
 ですから、よく見て描くようにという言葉の指示だけでは、絵を描くには不十分ということです)

<9. 左右のバランス 目覚めと自業自得 智慧 >
生き延びる(左脳)為の努力も大切
左脳だけを働かせること(批判しすぎること・疑い過ぎること)が問題 
生き延びようとして、生きる(感動する・感謝する)ことが疎かにならないように

以上 文章にすること自体が左脳的な行為 後は実践する(右脳を使う)こと

* [本]
絵を右脳で描く―「描く能力」が劇的に向上 (朝日カルチャーセンター講座シリーズ) 絵を右脳で描く
「脳の右側で描け」の実践版