冤罪事件と庶民の現在

今から100年前の1910年に、日本では大逆事件がありました。その16年前の1894年(明治27年)、フランスでは、軍部によるユダヤ人ドレフュス氏をドイツのスパイであるとする冤罪事件がありました。真犯人を知っておきながら、軍部はドレフュス氏を裁判にかけ終身刑にしました。

 この詳しい経緯はアカデミー賞を受賞した「ゾラの生涯」というアメリカ映画になっており、DVDで見ることが出来ます。この事件をきっかけに、国際的にシオニズム運動がおこり、それがイスラエル建国に繋がりました。

 またアメリカでは、1886年にシカゴで、ヘイマーケット事件という冤罪事件がありました。ヘイマーケット広場で、労働者が8時間労働の要求集会を開いているところへ警官が規制に入り、警官が爆弾で亡くなりました。当日シカゴにいなかった人も含めて労働運動の指導者が犯人とされ、指導者8人のうち4人が絞首刑となりました。

この事件をきっかけに、5月1日がメーデーとして世界に広がりました。事件から7年後、イリノイ州の知事であったアルトゲルトは、裁判は不正であったとして服役中の3人を釈放します。この経緯については、ハワード・ファーストアメリカ人』 青銅社に詳しく書かれています。

昨今の出来事に注目すれば、中国でコンピューターを生産しているあるメーカーで、今年に入り13名の若者が自殺を図り、世界的なニュースになっています。そこでの労働時間は一日16時間と聞きました。

日本では、消費税が10%になるとささやかれています。果たしてこの消費税が妥当なのか、私達一人一人が、歴史を振り返り、経済の流れをつかむことが大切であるように思います。