「からだ」という全体論

 「センサリー・アウェアネス」の創始者、エルザ・ギンドラーは、肺結核になったことが、きっかけだった。
 「アレクサンダー・テクニーク」の創始者、アレクサンダーは、声が出なくなったことがきっかけとなった。
 「フェルデンクライス・メソッド」の創始者、フェルデンクライスの場合は、サッカーで膝を痛めたこと。
 他で言えば、「野口体操」の野口三千三先生は、腰痛と胆石症を抱えていた。
 「正食・無双原理」の桜沢如一も、病弱だったことがきっかけ。
 「一病息災」とはよく言ったものだ。
  
 「身体」でもなく「体」でもなく、「からだ」という言葉を知ったのは、野口体操。
 私の世代は、心身二元論の世界観が主流だったと思う。今でも、そうかもしれない。
「要素論」「デカルト主義」「分析科学」しかし、一方でそれも行き詰っていた。
  
 そうでない世界観を求めていた。
 そんなときに出会ったのが「野口体操」の「からだ」という全体論であり、
 桜沢如一の「陰陽原理」「易」という全体論的世界観だった。

 羽鳥操さんの、「野口体操入門」を読みながら、出会った当時を思い出している。
野口体操入門―からだからのメッセージ (岩波アクティブ新書)