鎮魂 インターネットもひとつの土壌

かつてNHKで放映された下村湖人原作の「次郎物語」の主題歌の中で
<松の根は岩を砕いて生きていく>というフレーズがあった
(ちなみに、後から映画になったときの主題歌は、
 さだまさしの「男は大きな河になれ」だったとおもう。)
                          
 確かに、松の根は、岩を砕いて伸びていく
 大根の根はそうはいかない
 人参の種をまけば、人参となる
 パンジーの種をまけば、パンジーの花が咲く
 しかし、どんな花になるかは、種だけでなく
 土壌とか、水遣りとか日照に影響される
 それでも
 いい環境に育ったからといって
 いい種を残すとは限らない
                    
 ずいぶん昔、廃屋になった村で
 植林された林の中の、割れた鉢底に残された少しの土に
 しっかりと咲いていたカタバミを見たことがある
                        
 人間がどのような花を咲かせるかは、
 やはり、その人の種と土壌や環境によるだろう
 そして、人間は、ある程度環境も選べる
                      
 長女の中学生の頃の友人が亡くなった
 24歳で散ってしまった花
 彼女の土壌はどんなだったのだろう
 Y さん、肉体の束縛を離れたのだから
 しばらく遊んで、好きな時に大本に還るがいい
                      
 インターネットもひとつの土壌
 どんな土壌になるかは、その人次第