天道と人道

人間一個人の救いは
天国や極楽浄土、あるいは理想社会に暮らすことではなく、
今ここが、(どのような状況であろうと)そのままで、
永遠であると感つつ生きることだと思っている
だがともすれば、私達の心情は、今ここを否定して
追いつくことのできない理想未来を追いかける
あるいは、刹那の享楽を追い求める
「あるがままのものは、あるがままに受け入れるしかないではないか」
苦しさ、痛み、孤独にもがき、自らを討ってしまう
回りのものにあたってしまう
5歳の時、酒匂川の氾濫で田畑を失い
14歳で父を、16歳で母を亡くした二宮金次郎
幾多の妨害にあいながらも、
人の心に、徳をもって徳を芽生えさせた二宮尊徳
彼は、どうしてかくまで、世界と人と自分を信じることができたのだろう
私も「土手坊主」となって、川のほとりに佇み、川に耳を傾けるとしよう