餓鬼道

k1s2005-06-07

広辞苑には餓鬼の説明として
「悪業の報いとして餓鬼道に落ちた亡者
 やせ細って、喉が細く針の孔のようで
 飲食することができないなど、
 常に飢餓に苦しむという」とある。
 縁あって無着成恭氏の昭和教育論太郎次郎社を読んでいる。
そこには
「奪い合えば足らぬ。分け合えば余る」という教育や、
ひとつのりんごを皆で分けあって食べたほうが
おいしいのだよという教育が姿を消し
ひとつのりんごを何人かで奪いあって、
勝ったものが見せびらかして食べる教育だけが前面に出てしまった。
 奪い合う現場を修羅場といい、見せびらかして食べる人を餓鬼という。」
とある。
 金品、食べ物に限らず、智慧や技術を見せびらかして、一人楽しむものも餓鬼だろう。
 餓鬼道というくらいだから、道であって、見掛けは財産があって、太っていても、
実はそれはやせ細った餓鬼なのだ。ひとつらなりの道なのだ。