川に洗濯へ

今から約40年前、小学校へ入学する頃まで、
私の家では、川に洗濯へいっていた。
家で、たらいと洗濯板と洗濯石鹸による汚れ落しを済ませ、
それを、バケツに入れて運び、川で濯ぎをする。
大人の足で歩いて、10分はかかっただろう。
その濯ぎ場は、家族の、そして地域の人々の交流の場でもあった。
川に堰を作り、分厚い板の堰の上を、
透き通った水が溢れていく。
その下で濯ぎをする。
堰の下流は、石畳になっていて、
石の間に、小魚がいたりする。
ぬるぬるして滑りそうな石の上を、
足の裏で確かめながら歩く。
何かの拍子に、堰のところに渦ができ、
渦に枯葉が吸い込まれていく。
笹の葉で、船を作って流したりした。

今は、全自動洗濯機。
便利になったが、失ったものも多い。